7月中旬以降、日本国内での新型コロナウイルス感染者数は再び増加しつつありました。長引く自粛生活、そして虚実取り交ぜた情報が駆け巡るなか、いま消費者はどのようなメディアに接し、何を信じようとしているのでしょうか。2020年5月から7月の間に実施された各種調査から、コロナ禍における消費者の意識と行動の変化を探ります。
メディア接触時間の推移 増加のピークは4月まで
新型コロナウイルス感染症の流行による生活の変化は、メディアに対する消費者の態度や意識にどのような影響を与えているのだろうか。
インテージ「新型コロナウイルスの影響によるメディア接触行動変化レポート」では、テレビ・PC・モバイルの、1日・1人あたり接触時間変化の推移を継続して調査。1月20日の週を100とした際の水準値の推移を【図表1】でみていく。
緊急事態宣言の影響で、4月6日週以降すべての媒体で接触時間が増加。しかしゴールデンウイーク後にあたる5月11日週以降、いずれも減少傾向にある。また宣言解除後の6月1日週について、テレビは、土日で1月20日週と同水準まで戻った一方、平日は10%増を維持。パソコンは土日・平日ともに約15%を維持し続けている。モバイルについては、出社や外出等で移動時間が戻った影響からか、平日・週末ともに微増した。
最も信頼できる情報源 Z世代の55%が「両親」と回答
シグナルは、全国18歳~69歳の男女1000人を対象に「コロナ禍における情報・メディアに対する意識調査」を実施した。
「テレビやネット、SNSから受け取る情報が正しいかどうかわからないと感じるか」という問いでは、「そう感じる」「ややそう感じる」の合計が86.8%と、高い割合を示した【図表2】。
「信頼できる」と感じる情報の発信元として、最も多いのが「両親」の33.7%。18歳から24歳までのいわゆるZ世代に限ってみると、55%まで増加した。世代によって普段接する相手がそもそも異なるという点はあるが、「両親」「配偶者・パートナー」「兄弟」など、家族からの情報をより信頼していることがうかがえる。また、「政府・地方自治体等公的機関」からの情報については、全体が33.1%に対してZ世代が38%と、やや高い割合を示している。「インターネット上で影響力のある人」はいずれも10%台と低いことがわかった【図表3】。
コロナ禍において接触する機会が増えたメディアについて、世代全体で最も多いのが「テレビ」で67%。Z世代では83%の人が「SNS」と回答した。また、約半数がYahoo!やGoogleなど「検索エンジン」の利用が増えたと回答。すなわち、能動的に情報を得る人が増えたことが考えられる【図表4】。
接触する機会が増えた情報の内容については全体で「政治・法律(61.6%)」「経済(55.5%)」と続き、世の中の動きをより注視するような傾向がみられた。Z世代では...