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フランス消費トレンド

『未来』という概念を押さえる──アフリカで成功する価格交渉とは?

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

力を増す「アフリカ系商人」 西アフリカ市場で頭角を現す

アフリカ大陸では、さまざまな商人がビジネスを営んでいます。地域やビジネス分野によってプレイヤーが異なりますが、特にビジネスリスクが高く攻略が難しい「西アフリカ」(ECOWAS諸国)では「レバノン商人」のプレゼンスが高く、英「エコノミスト」誌の推計によれば、その規模は同地域だけでも25万人で、非アフリカ系として最大です。

レバノン系コミュニティは19世紀の植民地時代から現地に根付き、そのネットワークを活かして諸外国企業との間で仲介業・代理店業を営んできました。現地感覚を持ち、難しい商物流(輸入から商品の流通)に対応する彼らは長年、国外企業の心強い水先案内役を担っていました。

ところが、昔ながらの口銭ビジネスから脱却できないところが多く、踏み込んだマーケティングが必要な拡販フェーズに進むと、コンフリクトが生じるケースも出てきます。

当社ではこうした問題意識から西アフリカにおける流通政策を見直し、昨今頭角を現している地場の「アフリカ系商人」との関係強化を図ってきました。彼らはかつて、レバノン商人が輸入した商品を小売店に卸す仲買業を生業としていましたが、最近では経済力を身につけて、輸入卸に一気通貫で対応できようになっているからです。ビジネスに対して貪欲で、流通階層を減らせる彼らと組むことで、市場開拓を加速させる狙いです …

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