ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。
自宅を自由に使える権利 誕生日に粋な贈り物
先日、フランス人の同僚フランクが「息子が18歳を迎えたんだ」と嬉しそうに話していました。フランスでは18歳の誕生日を迎えると成人したことになり、選挙権が与えられ、飲酒が解禁となります。特別な式典などはありませんが、節目として家族で盛大に祝うそうです。今回はフランクが父親として息子の誕生日に手渡した「贈り物」のお話です。
息子さんが誕生日を迎えた夜、飾り付けられたダイニングテーブルに夫婦で仕込んだ料理ととっておきのワインを並べ、さらにアクティブな息子さんのためにスポーツ用のサングラスとサプライズで"ギフトカード"を贈ったそうです。
そのギフトカードとは、バースデイカードに「自宅を1週間自由に使える権利」と手書きで書かれたもの。息子さんが希望するタイミングで親が家を1週間空け、その間に友達を招待するなどして家を自由に使える、という趣旨だそうです。なるほど、素敵な贈り物だと思いました。息子に自由と責任を突き付けることで「大人」を体験させる、というわけです。
しつけの厳しいフランス家庭だからこその成人祝いの心意気
フランスでは子どもたちが将来、困らないように、と社会のルールや好ましい習慣を厳しくしつけます。また、共働き世帯が多い上、家庭では夫婦関係が優先されるため、親(大人)は子どもに振り回されることなく自分たちのペースで生活します …
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