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フランス消費トレンド

フランス最大の発明はバカンス?──日本人が休まない理由

山本 真郷氏/渡辺 寧氏

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

ドーバー海峡を横断 国民的スターにもバカンスは必要

8月初め、フランス人発明家のフランキー・ザパタ氏が自ら開発した起立型飛行装置「フライボード・エア」でドーバー海峡横断に成功したニュースを見て、そのアイアンマンさながらの飛行姿に驚かされました。革新的な発明はいつの時代も人をわくわくさせるものです。

一躍、有名になったザパタ氏。ドーバー海峡横断を成功させた後の取材で「疲れた、バカンスが必要だ」と語ったのが、いかにもフランス人らしいコメントに感じられました。なぜならば、フランス最大の年中行事が夏のバカンス(長期休暇)だからです。年5週間の有給休暇に法定労働時間(週35時間)を超えた労働の振り替えが加わり、夏に1カ月弱、冬に2週間ほど休むのが一般的です。

土日・祝日を加えると、1年の4割以上を休んでいることになります。この原稿を執筆している8月は、まさに夏のバカンスシーズン真っ只中で、パリなどの大都市は観光地を除き、ほぼ休眠状態です。なぜ、これだけ長期に休んでも、経済や社会活動が維持できるのでしょうか …

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