2019年に発売60周年を迎える「ベビースターラーメン」は、その歴史の長さから、親子孫の3世代に愛されるロングセラー商品に育っている。
誕生のきっかけは"もったいない精神"。即席めん(乾麺)を製造していた1950年代当時、創業者の故・松田由雄氏は製造工程でこぼれ落ちる"麺のかけら"を見て「もったいない」と思い、それを味付けし、おやつとして従業員に配っていたそうだ。やがて、そのおやつが評判を呼び、製造中に発生する分だけでは足りなくなるように。「こんなに人気があるのなら、いっそのこと商品として売ってみよう!」と考えたことから「ベビースターラーメン」が生まれたのだ。
ターゲットは子どもたち。子どもでも買える駄菓子として発売された同商品だが、その背後には戦後の厳しい環境を生き抜いてきた松田氏の"子どもたちのお腹を満たしたい"という強い想いがあったのだと、おやつカンパニー マーケティング本部 リサーチプロモーション課の諸岡亜由美氏は語る。
発売から60年。今でこそロングセラー商品としての地位を築いているが諸岡氏によると、「1959年の発売当初は、ラーメンをお菓子にしたというあまりに斬新な商品であったため、小売店で取り扱っていただくようになるまでに苦労したと聞いています」と当時のエピソードを話す。
名古屋を中心に評判が全国に広まり、発売2年後に売上は倍増。さらに1966年には「ベビースターラーメン」専用製造ラインを増設するほどの人気ぶりとなった。その後も順調に売上を伸ばし、現在はベビースターブランド全体で発売当初と比較して200倍にも売上を拡大した。
2017年のブランドキャラクター交代に続き、発売60年を機に"料理で楽しむベビースター"をテーマに据えた「消費シーン提案」に挑戦するなど、同社は今後もさらなるファンづくりのために意欲的なコミュニケーションを続けていく考えだ …