史上最大規模のFIFA女子ワールドカップに出稿する米企業
2022年のFIFAワールドカップの興奮も冷めやらぬ、この夏「FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023」が開催された。本大会はFIFAが目標としていた観客数150万人を開幕1週間で達成するなど「女子W杯史上最大の大会」となった。4年に一度の好機を逃すまいと、さまざまな企業が大会に協賛しマーケティング活動を行った。
米国広告マーケティング事情
スタートアップを中心に新サービスやアプリが次々と誕生する米国。新しいビジネスには何かと障害がつきものだが、「とりあえずやってみよう」と走りながら調整するのが米国流だ。
今年の春頃からサンタモニカやLAなど、西海岸都市にて頻繁に見かけるようになった電動スクーター。そのレンタルサービスを手掛ける複数の企業の中で、最も積極的なのがBIRD(1)だ。大都市圏での交通手段として高い将来性を買われ、同社は6月、投資会社から3億ドル(約330億円)の追加投資を受けた。現段階で20億ドル(約2兆2千億円)の企業価値があると複数メディアが報じている。
BIRDのサービス利用方法はとても簡単だ。アプリをダウンロードし、近所にあるBIRDスクーターを探す。スクーターに付いているQRコードをスマートフォンでスキャンするとロックが外れ、自由に乗ることができる。用が済んだらその場に乗り捨てればOK。支払いはクレジットカード、1回ごと1ドルの利用料金に加え、1分あたり15セントが課金される。
歩くにはちょっと遠い不便な場所へも1回2~3ドル(約220~330円)程度で行けるため、車を持たない都市部の若者に絶大な支持を得ている。現在は前述の2都市に加え、サンフランシスコ、ワシントンDC、オースティンなど全米各都市で展開中。BIRDはスクーターの所有台数を未公表としているが、同社広報担当は「4月末に2万2500個のヘルメットを無料配布し、延べ利用回数は100万回を超えた」とニューヨーク・タイムズ紙に述べている。
アプリで空いているスクーターを探し、スマホでQRコードをスキャンすれば利用できる。乗り捨てOKで格安のため、都市圏に住む若者に大人気。西海岸でスタート後、東海岸や南部へ進出。全米展開を狙う。
BIRDのCEO トラヴィス・ヴァンダーザンデン氏はかつて自動車配車サービスのLyftとUberに在籍した経験から、電動スクーターに高い将来性を感じていた …