カンヌライオンズ、クリオ賞と並ぶ「世界三大広告賞」の一つである「THE ONE SHOW(ワンショー)2017」の授賞式が、5月に米ニューヨークで行われた。計243点の受賞作品のうち、ここでは最高賞の「Best in Show」のほか、ブランデッド・エンターテインメント、ダイレクトマーケティング、インタラクティブ、UX / UIの4部門の最優秀作品を紹介する。
01 最高賞「Best in Show」
リオ五輪の難民選手団を称える、希望と団結のシンボル
アムネスティ・インターナショナル「The Refugee Nation」
44回目を迎えた今回のワンショーには、73カ国から2万1844作品のエントリーがあり、そのうち23カ国の受賞者に243本のペンシル(ゴールド70点、シルバー75点、ブロンズ98点の)が贈られた。日本からは、7作品がゴールド、17作品がシルバー、13作品がブロンズを獲得した。
全部門のゴールド受賞作品の中から選ばれる最高賞「Best in Show」に輝いたのは、国際人権NGO アムネスティ・インターナショナルの「The Refugee Nation(難民の国家)」。2016年のリオ・オリンピックで話題になった、史上初の「難民選手団」を称賛するキャンペーンだ。
難民救助に使われるオレンジと黒のライフジャケットにインスパイアされた「国旗」と、選手たちの勇気と健闘を称える「国歌(アンセム)」を制作。これらをシンボルに10人の難民アスリートをはじめとするすべての難民の困難な状況と、それに対する世界中からのサポートを、より多くの人に知ってもらうことを目的とした取り組みである。
「国歌」をつくったのは、トルコ・イスタンブールに暮らすシリア難民の作曲家・Moutaz Arian。そして「国旗」は、オランダ・アムステルダムに暮らす同じくシリア難民のアーティスト・TARA SAIDによってつくられた。
この「国旗」をはじめ難民によってつくられた商品を購入したり、Webサイトにアクセスして難民を雇用するなどの方法で、難民支援の意思を実際のアクションに結びつけることができる仕組みになっている。
最高賞に選出された理由について、ワンショーのケビン・スワンポールCEOは、「政治的な不和や社会的な激変が世界中で起きる中、『The Refugee Nation』は、我々クリエイティブの業界が持てる力をいかにして発揮し、影響をもたらすことができるかを象徴するものだった」と語った。クロスプラットフォーム/デザインの2部門でゴールドおよび部門最高賞「BEST OF DISCIPLINE」の受賞を果たした。
02 ブランデッド・エンターテインメント部門 BEST OF DISCIPLINE
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