顧客と企業・ブランドとの接点をつくり、関係性を維持・強化する役割を担い続けてきた宣伝部門。消費者のライフスタイルや価値観が大きく変わりつつあることに加え、デジタルテクノロジーの進化によってメディア環境・コミュニケーション環境も激変している今の時代。当然、企業の宣伝部門も変革を迫られています。
今号では、主要企業43社の宣伝部門トップを対象にアンケートを実施、その回答を通じて『次世代宣伝部長』の人物像に迫りました。変化の時代、顧客と向き合い、売上やブランド価値向上といった成果を厳しく追及されているこの部門を率いる人材は、どのようなスキルやマインドセットを持ち合わせているのか。部門のメンバーや外部パートナーと、どのようなチームをつくり、仕事に向き合っているのか。生の声を通じて、ひも解きます。
宣伝部門の今年の注力領域や注力媒体、抱える課題や、外部パートナーに求める役割・スキルについて聞いたアンケートへの回答を一覧で紹介する。回答項目は、【1】社内における宣伝部門の役割、【2】部門に不足していること・強化が必要なこと、【3】管轄業務、【4】特に注目している媒体(3つまで選択)、【5】広告宣伝費の増減見込み、【6】2017年に注力したい施策・領域(3つまで選択)、【7】自身が宣伝部門トップに就任してから取引を開始したパートナー企業のカテゴリー(複数選択)、【8】パートナー企業に求める役割・スキル。
25 ドーム

マーケティング本部 取締役 兼 執行役員 CMO
マーケティング本部長
赤倉 吉典(あかくら・よしのり)
慶應義塾大学アメリカンフットボール部出身。三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)、ドイツ証券を経て、2012年にドームに入社。ドームでは、ダイレクトビジネス統括を経て、現在、マーケティング全般を統括。
社内における宣伝部門の役割
スポーツの価値を顕在化させ市場を創造すること
会社自体がマーケティングカンパニーであり、マーケティング部門の役割は会社そのものの役割である。
部門に不足していること・強化が必要なこと
本質を捉えて、情熱を持って伝える力をもっと強めたい。
2017年度に注力したい施策・領域
●企業のブランド価値を向上させること
●部門内の人材育成
●その他(新しい価値の創造)
「スポーツを通じて社会を豊かにする」という企業理念の下、スポーツの潜在性を見出し、その価値を顕在化させ、「スポーツ産業化」「スポーツ市場拡大」を推し進める。
パートナー企業に期待する役割・スキル
理念の共有と想いの実現。
26 ニチバン

経営企画本部 広報宣伝室 経営企画本部長 兼 広報宣伝室長
片桐 真人(かたぎり・まさと)
1989年 中央研究所、1991年 安城工場技術開発課、2002年 購買部、2009年 研究開発部、2011年 テープ開発部製品開発センター長、2013年 安城工場長、2015年 経営企画室長・広報宣伝室室長。
社内における宣伝部門の役割
コーポレートブランドの向上
「信頼され期待される企業」の実現を中長期経営計画ビジョンに掲げており、全社的な広報宣伝力強化と「コーポレート」ブランド向上を大きな目標として、広報宣伝室が設置されました。
部門に不足していること・強化が必要なこと
ブランド、認知度向上のためのメディアプロモーション企画力・運営力。
2017年度に注力したい施策・領域
●企業のブランド価値を向上させること
●メディアの効率的なプランニング・バイイング
●海外市場向けの宣伝・ブランディング施策
2018年に創業100周年を迎えるにあたり、コーポレートブランドの向上を重点課題として取り組んでいます。
パートナー企業に期待する役割・スキル
当社の「コトづくり」を支援してもらいたいと考えています。
27 日産自動車

日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部 部長
柳 信秀(やなぎ・のぶひで)
営業促進部→販売会社出向→宣伝部→販売促進部→地域統括会社(営業部)出向→ブランド&メディア戦略部
社内における宣伝部門の役割
「ブランド力」と「ショールームトラフィック」の最大化
そう考える以外ない。
部門に不足していること・強化が必要なこと
プロ育成 ...