顧客と企業・ブランドとの接点をつくり、関係性を維持・強化する役割を担い続けてきた宣伝部門。消費者のライフスタイルや価値観が大きく変わりつつあることに加え、デジタルテクノロジーの進化によってメディア環境・コミュニケーション環境も激変している今の時代。当然、企業の宣伝部門も変革を迫られています。
今号では、主要企業43社の宣伝部門トップを対象にアンケートを実施、その回答を通じて『次世代宣伝部長』の人物像に迫りました。変化の時代、顧客と向き合い、売上やブランド価値向上といった成果を厳しく追及されているこの部門を率いる人材は、どのようなスキルやマインドセットを持ち合わせているのか。部門のメンバーや外部パートナーと、どのようなチームをつくり、仕事に向き合っているのか。生の声を通じて、ひも解きます。
17 資生堂ジャパン
社内における宣伝部門の役割
広告活動の企画・実践・検証
部門に不足していること・強化が必要なこと
メディア接触状況の変化が激しい中、新しいコミュニケーションの方法論の開発が必要だが、上手く実現できていない。
2017年度に注力したい施策・領域
●商品の売上を宣伝施策で高めること
●継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)
●メディアの効率的なプランニング・バイイング
高効率の企業経営が求められる中、マーケティングコミュニケーション領域でもROIの向上が課題となるのは自明なことであり、常に方法論の探索とトライを行っている。
パートナー企業に期待する役割・スキル
新しい知見と高い専門性。
18 昭文社
社内における宣伝部門の役割
売上最大化のためのコミュニケーション部隊
マーケティングの役割は売上の最大化であり、宣伝も同じ役割と考えます。楽しいからこそ、過信したり手法に溺れないように、マーケティングの全体像の中での宣伝を意識するようにしています。
部門に不足していること・強化が必要なこと
海外向けメディアの経験値が少ないため、試験的に細かく出し分けて軽く数字を持ってからプロモーション計画を立てるようにしています。
2017年度に注力したい施策・領域
●商品の売上を宣伝施策で高めること
●継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)
●海外市場向けの宣伝・ブランディング施策
企業における広報宣伝活動がアジアデフォルトになってきている背景において、アジアで重要なSNSは経験が蓄積できました。今後、多面的・重層的アプローチするためには、SNSだけでなくアジアのマスメディア・PRについても具体策を探り、経験値を高める必要があると考えています。
パートナー企業に期待する役割・スキル
型どおりではないオーダーメイドの提案。中長期的に伴走してくれるサポート体制。
19 SUBARU
社内における宣伝部門の役割
お客さまとSUBARUをつなぐプロフェッショナル
グループ企業を含むあらゆる部門がSUBARUブランドの価値「安心と愉しさ」を生み出しているが、それがより多くのお客さまに伝わることで、SUBARUを輝かせることができる。
部門に不足していること・強化が必要なこと
全グループの活動を俯瞰する、社内におけるより広い視野と、変化し続けるメディア・社会・お客さまを把握し理解すること。
2017年度に注力したい施策・領域
●企業のブランド価値を向上させること
●商品の売上を宣伝施策で高めること
●デジタル/リアルの顧客チャネルの統合・一元管理 ...