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研究室訪問

マーケター経験を生かした研究で実務現場の「死角」に挑む

朴正洙(駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 准教授)

「Global Marketing and Advertising : Understanding Cultural Paradoxes, 4th ed. Sage.」
※日本語翻訳版は2016年9月に千倉書房より刊行予定

人は、所属する文化の影響を受け、考え行動する。本書はグローバル市場におけるマーケティング、ブランド構築、グローバル広告を開発するための矛盾した価値の本質理解に役立つ。

実務担当者の視野を広げたい

企業にとってマーケティング・コミュニケーションの最大の目的はブランド構築─そう話すのは、駒澤大学の朴正洙准教授だ。同氏の研究領域は、アメリカと東アジアの消費者に焦点を当てた「グローバル・マーケティング」と、人を中心とした「マーケティング・コミュニケーション」。「ブランドを構築するには『人』が最も重要で、『人』を研究しなければ前には進まない。媒体を中心に考えると流行や情報技術の動向に依存する傾向がある」と指摘する。

マーケティングの実務の現場における問題点として、「視野が狭くなることがある」と朴氏。そして、研究者の役割は、こうしたリスクを軽減し、広い視野を持つよう提言することだと言う。その取り組みの例として、自身のここ最近の研究テーマである「有名人広告(タレント広告)」を挙げ、次のように説明する。「有名人広告は、有効なコミュニケーション戦略の一つと考えられているが、多大な効果がある一方、有名人の“不祥事”のようなリスク要因もある。こうしたリスクはすでに海外では指摘されていることだ」。

また、朴氏が10年以上にわたり海外消費者を対象に行ってきた調査データや …

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