LGBT問題や人種問題はもちろん、価値観や嗜好も多様化する時代。“見えにくくなった”消費者に対応したクリエイティブ、コミュニケーションを考えることが、クライアントにとってもエージェンシーにとっても不可欠となっている。
TBWA\Worldwide North AmericaのCDO・Douglas Melville 氏。
創造性をドライブするCDOの役割
TBWA\Worldwide
Chief Diversty Officer(CDO)は近年、米国で広がりつつある役職。オムニコムグループ傘下の、TBWA\Worldwideでは2012年5月にDouglas Melville氏をCDOに迎え、国籍、人種、民族、性別、年齢、宗教、信条、社会的身分、性的指向、性同一性、障害の有無といったバックグラウンドの多様性に配慮した組織づくり・企業活動を推進している。「テレビCMでも、アメリカ全体の人口比を反映させる必要が出てきている。多様性時代に合わせた新しいメッセージや表現を考えることが、エージェンシービジネスにおいて欠かせません」とMelville氏。
CDOが管轄する「多様性」には、従業員の多様性はもちろん、サプライチェーン(ビジネスパートナー)の多様性、また文化的な多様性も含まれる。さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に生かすことは、変化しつづけるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに対応し、企業としての優位性を確立することにもつながる。Melville氏は、「優れたクリエイティビティを生み出すためには …
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