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記者の行動原理を読む広報術

広報は「ジョブ型」向きの職種に 記者と長期に関係を築く人が活躍する理由とは

松林 薫(ジャーナリスト)

広報の仕事は、より専門化が進み、ベテラン広報の活躍の場が広がっていくだろうと筆者は予測する。その背景には、広報担当者の仕事相手であるメディア側の構造変化があるという。記者との関係構築のあり方は今後どのように変わっていくのか。

近年、日本企業でもジョブ型雇用を導入する動きが広がっている。従来は「就職ではなく就社」と言われたように、職種を限定しない形での雇用(メンバーシップ型)が一般的だった。新卒で入社し、その後はジョブローテーションによって社内の様々な部署で経験を積む。この柔軟性こそが日本企業の強みだと言われていた時期もあった。

ジョブ型雇用への移行

しかし、企業のグローバル化や雇用流動化の進展にともない、メンバーシップ型雇用を維持する難しさが認識されるようになった。若年層の間で「ゼネラリストよりスペシャリストになりたい」という声が高まったこともあり、職種別採用の導入などジョブ型雇用に舵を切る企業が増えている。

もっとも、雇用慣行の変更は一朝一夕には実現しない。また、日本が人手不足の時代に突入したことや、米中新冷戦によるグローバル化の揺り戻しが進むことを考えると、むしろメンバーシップ型雇用が再評価される可能性さえある。ジョブ型雇用の導入も、業界や業種、会社の規模などによって対応はばらつきそうだ。

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