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記者の行動原理を読む広報術

マスメディアへのネタ売り込みにオウンドメディアの活用を

松林 薫(ジャーナリスト)

新聞記者が注力する取材内容が変化する中で、ネタを提供する広報担当者の側も、アプローチの仕方を変えていく必要がある。そこで筆者がすすめるのは「オウンドメディア」の活用だ。ネタの売り込みにオウンドメディアを上手に使う方法とは。

最近、新聞を読んでいて感じるのが「小さなスクープ(独自ネタ)」の減少だ。人員削減で記者1人あたりの担当分野が広がったことに加え、働き方改革の影響で残業につながる「夜討ち朝駆け」がしにくくなったためだろう。記者が競争で企業ニュースを探していた時代は終わりつつある。そんな時代にネタを売り込むにはどんな工夫が必要だろう。

記者が求める情報が変化

勤務先の大学に関するネタの売り込みを手伝う機会があった。定石通りプレスリリースを書いて主要記者クラブに配布したが、思った以上に反応が悪い。理由は明白で、地元である大阪の経済記者が減り、小さなニュースまで手が回らなくなっているのだ。

リリースは大学のホームページなどにもアップされる。しかし、記者クラブに配布されたものを読む余裕もない記者が気づくはずがない。結局、知り合いの記者に直接お願いした。

改めて全国紙の経済面を見ると、自分が現役だった頃と比べ、いわゆる「抜いた・抜かれた」のスクープ合戦が減っていることに...

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