メディアには日々多くの情報が送られてくる中、自社の情報に目を止めてもらうには、テキスト情報だけでなくビジュアルの活用が欠かせない。また複雑な内容について記者の理解を助けるのにもつながる。広報担当者が知っておきたいビジュアルデザインのコツを聞いた。
Q.プレスリリースなどで、伝えたい情報が伝わるようにデザインするための考え方とは?
A.情報の優先順位を付けること
そもそもデザインと聞くと、見た目をかっこよく整えることだと思う方が多いかもしれません。自分にはセンスがないからデザインなんてできない、という声も聞きます。しかしデザインは、おしゃれなもの、奇抜でかっこいいものをつくることではありません。デザインの本質は「伝えたいメッセージを正しく分かりやすく伝えるために見せ方を工夫すること」です。考え方のロジックを知ることが、デザインの本質を理解する第一歩です。
企業や自治体の広報担当者など、デザイナーではないけれどデザインをしなくてはならない人も増えています。広報担当者にとってもデザインは、情報があふれる中で発信した企業・商品情報に関心を持ってもらうために重要な要素です。デザインの本質を知ったうえでプレスリリースなどの広報ツールに落とし込めば、メディアに興味を持ってもらい伝えたいメッセージが届きやすくなります。その先のメディア露出や話題化につなげるためにも、デザインの本質を押さえておくことは重要です。
伝えるべきメッセージを明確に
デザイン作業で最も優先度が高いのが、情報を整理する工程です。プレスリリースのキービジュアルやニュースレター内の画像、広報誌などをデザインする際、伝えたいメッセージや関連情報は数多くあります。その情報のうち、どれとどれが並列の内容か、ある情報は別の情報と同じまとまりか、一段下の階層になるか、などと情報の重み付けや分類を考えます。ひとつのコンテンツに含まれる情報の構造を整理していく作業です。
私が企業の方からデザイン素材をいただくとき、文章として情報が整理されているもののビジュアルに落とし込むイメージまで持たれている担当者の方は少ないように感じます。デザイナーはまず...