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メディア取材が増える広報の秘訣

情報の理解度を高める「デザイン」広報担当者が押さえておくべき考え方

小杉幸一(onehappy_)

プレスリリースなどを記者の目にとめてもらい、メディア露出につなげる─。
こちらの記事では、ビジュアルデザインを活用し「メッセージを効果的に伝える」テクニックを見てきたが、その汎用性を高めるために前提となるデザインの考え方も知っておきたい。


    Q1.広報ツールなどのデザイン作成にあたり、押さえておくべき考え方を教えてください。

    A.デザインは、ビジョンや目的を達成させるための共通言語のひとつ

デザインとは、デザイナーなど一部の人だけが持っている特殊技能ではありません。「ビジョンや目的を達成させるためのビジュアルにおける共通言語」と考えています。言語を理解して使うには単語や文法を覚える必要がありますよね。デザインも同様です。文字や単語の意味を知り、文法で組み立てて文章をつくるように、色やフォントの意味を理解して組み立てることで、つくり手と受け手の間で“デザインという言語を介したコミュニケーション” が成り立つのです。

伝えたいことを適切に伝えるには、正しく言語化(デザイン)する必要があります。日々膨大な情報に触れている現代人は、目に入ってくる情報を、自分の中で無意識に解釈・理解しています。つまり情報に込められた意図を読み取る感度が高く、違和感にも敏感です。特にメディアの記者は、日々多くの情報が寄せられる中で「その情報を取り上げる価値があるか」を瞬時に選別しなくてはいけません。そのためなるべく違和感をなくし、デザインを通じて情報の理解度を高めることが重要です。

「明確な意図が的確に表現された」デザインは伝わりやすいですし、逆に「なんとなく」で決めた色やフォントで構成されたデザインには違和感を覚えるわけです。例えば、サステナビリティ情報の企業リリースのキービジュアルにおどろおどろしいフォントが使われていると、「なぜこのフォントを選んだんだろう?」と疑問が浮かびますよね。受け手側にフォントの知識が無くても、伝えたいこととデザインのミスマッチは違和感となって伝わるのです。「誰に何を伝えるのか?」を念頭に置き、人とのコミュニケーションをイメージした上で、色、フォント、レイアウトを考えることが、デザインを理解する一歩なのです。

解釈に余白をなくす

ビジュアルをつくり出すという点で、デザインはアートと混同されることがありますが、その存在意義は全く異なります。アートは受け手側に「解釈させるもの」という考え方もあります。受け手の主観によってある程度自由な捉え方をしてもらってもいいため、…

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