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IRの学校

IRの学校24時限目 予算編成とIR担当

大森慎一(バンカーズ)

イラスト/もとき理川

上場:こんばんは。今日は急遽、お集まりいただきありがとうございます。

大森:ピンチだ!助けてほしいって聞けば、喜んではせ参じますよ。

上場:ありがとうございます。実は前回のお話を受けて、予算編成に向けてIR担当室の部署内KGIを想定し、KPIを明示して管理しますと宣言するところまではよかったのですが、具体的な話になったところで行き詰まってしまいました。そこで今日は、具体的な話の進め方、まとめ方についてアドバイスをいただけないかと思いまして。

大森:では、状況をもう少し聞かせてもらおうかな。

上場:まずKGIの設定ですが、当社は上場以来ファン株主を増やそうというのが目標となっているので、そのまま「ファン株主の増加」としました。そこから、「株主を当社の製品ユーザーになってもらう」ことと「顧客に株主になってもらう」ことの両方向をKPI化できないかと考えました。

大森:ほうほう、なるほど。

上場:株主へのアプローチは、優待券等の発行が有効であり、その利用数、利用率等をKPIとして追いかければよいとなりました。一方、顧客アプローチとしては一般の小売店舗での流通が主体なので、IR情報の提供がままなりません。製品ウェブサイトの登録会員、通販顧客等の会員情報は有しており、製品ウェブサイトには会社情報サイト、IRサイトへのリンクはありますが、ほとんど利用されていません。

財部:ということで、株谷さんに解説いただいたような、「売上高=顧客数×顧客単価」みたいな数式にできず、行き詰まりました。

上場:その後、ではKGIを一度見直そうという話になり、IR担当の本分を考えて、継続開示の正確性、適正性というのも検討しましたが、抽象的な内容になってしまい…。

大森:はっはは、なるほど。株谷さんの解説のイメージが強すぎて、発想の展開が狭まりすぎたかな。杏奈さんたちには少し我慢してもらってダメ出しから始めようか。

上場:お手柔らかにお願いします。

管理部門のKGI、KPI管理

大森:まずKGIなんだけど、ファン株主数を増やすといっても、“ファン株主”の定義はしているかな?企業理念に賛同し応援してくれる株主であり、製商品のヘビーユーザー。ブランドメッセージへの共感、情報発信などの積極的な関与度なども加わるのかな?

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