上場・財部・株谷:こんばんは。
大森:こんばんは、よろしくお願いします。
上場:改めて、コロナ禍の状況を振り返ってみたのですが、初期は、会社やビジネスの先行きも分からないし、個人の生活もどうなるのか、心配だらけでしたね。
大森:そうだね、「すぐに鎮静化する」なんて楽観視もあったし、人類の危機説みたいなものもあったし。
株谷:当社はコンシューマビジネスでもなく、労働場所が限定される工場などの生産設備、物流センターなどが必要でないため、一部の管理部門以外は、自宅等でのリモート勤務が標準となりました。
上場:そういう意味では、リモートやテレワーク形態が一挙に一般化しましたね。
大森:そうだね、さて、閑話休題。話を戻そう。前回はどこまで進んだっけ。
株谷:IR担当部署が情報のハブとなるとよい、という提言をお聞きし、社内外の情報収集と情報管理・共有の話まで進んでいます。
上場:情報の評価についても、留意点を説明いただいたかと思います。
大森:ありがとう。では、分かりづらかった点や質問はあるかな?
上場:情報は変化するので、日時管理や情報ソースの確認が必要なのは分かるのですが、情報を集めた後、どう評価するのかという点と、情報開示をどう決めるのかという点の補足をお願いしたいです。
情報の評価と適時開示の判断
大森:そうだね、まず、適時開示をおさらいしておこう。適時開示を求められるのは、以下のようになる。
●上場会社(子会社等を含む)の決定事実
●上場会社(子会社等を含む)の発生事実
●上場会社(子会社等を含む)の決算情報
●上場会社の業績予想、配当予想の修正等
これらの事実等について、それぞれ軽微基準が定められていて、その軽微基準に該当しないものは適時開示を要請されている。
株谷:原則開示、軽微なものは除外、という建て付けですね。
大森:そう、このうち、新株発行や事業譲渡などの「決定事実」以外は経営者の判断によることが多い。
上場:なるほど。コロナ禍は典型的な「発生事実」ですね。影響が終了して確定した後なら容易になる評価・判断も、確定前は難しいですね。
大森:いいね。評価はあくまでも、「その時点で入手可能な情報に基づき一定の前提のもと、当社の経営者が判断した」もので、その限りでは真実性も正確性もある...