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SDGs実践ノート

金融業の貢献は『見えづらい』? だからこその積極発信を

BNPパリバ

SDGsはコーポレートブランドの確立に欠かせない共通言語。広報担当者が社内外に向けて発信するためのヒントを探ります。

ホスピタルアートプロジェクト。各々の従業員らが作成したハートを、アーティストの西村公一氏の指導の下、徳島大の職員らの手によって最終的に3つのより大きなハートに。徳島赤十字病院に寄贈した。

外資系金融機関のBNPパリバ・グループは、2015年にSDGsが定められる以前から、国際社会が一体となって取り組むべき目標に基づいたCSR戦略を策定。日本のBNPパリバでは、投融資を通じて経済的責任を果たすだけでなく、地域社会へ貢献する活動に力を入れてきた。

従業員にSDGsの重要性を理解してもらうべく、従業員一人ひとりのSDGsへの理解促進と実際のアクションにつなげる取り組みを企画しているのが同社ブランド&コミュニケーション部の今村祐介氏だ。2020年からは、グループ全20万人の社員で、SDGsに関する座学の勉強を行った後、計100万時間をボランティア活動に費やすことを目指すプログラム「1MillionHours2Help(ワン・ミリオン・アワーズ・トゥ・ヘルプ)」を行っている。

「まずは貧困問題や環境をテーマにした講演会を昼休み時間中に開催し、問題意識を持って自分ゴト化してもらった上で、『1MillionHours2Help』でボランティアにつなげるという流れで取り組んでいます」。

今村氏は「1MillionHours2Help」のため、従業員参加型の11の企画を考案。そのうち、大きな評価を受けたのが2021年夏のホスピタルアートプロジェクトだ。ホスピタルアートの研究と普及に取り組む徳島大学大学院の田中佳准教授と、マスキングテープを使った作品で活躍するアーティストの西村公一氏と協働で実施。社員とその家族約130人がオンライン開催のワークショップに参加し、カラフルなマスキングテープを用いて約200個のハートを制作。それを大きなハート3つにして徳島赤十字病院に寄贈した。

同プロジェクトは、東京ボランティアセンター・市民活動センターの「企業ボランティア・アワード」インクルーシブ社会奨励賞を受賞した他、NHK徳島など複数のメディアにも取り上げられた。今村氏は「従業員にどのようにSDGsを意識しながら社会貢献に携わってもらえるかを考えていった結果、社外周知にもつながった良い事例でした」と振り返る。

その他の取り組みもコロナ禍でやむを得ずオンラインでの実施だったが、SDGsの腹落ちが真に実現している同社従業員にとっては「むしろ参加しやすい」と好評。「1MillionHours2Help」開始前の2019年と比較し、2020年のボランティア時間は2.7倍の2255時間、参加社員は2.1倍の延べ437人、2021年は1776時間と351人を達成した。

同社では、2017年11月にたばこ業界に属する企業への投融資活動の停止を発表。事業を通じたSDGsを他社に先駆けて行ってきた。一方で、“目に見えない”サービスゆえ、より積極的な発信が肝要だと感じているという。「今後も、最終的なアウトプットやメディアへの発信のしやすさというゴールも見据えて、企画や取り組みを実施していくつもりです」。

SDGs達成のためのステークホルダー・コミュニケーション(一例)

顧客

●厳格な投融資ポリシーを策定し、2017年11月にたばこ企業への融資および投資活動の停止を発表

従業員

●東京パラリンピックで日本代表にも選ばれた車いすテニスプレイヤーの荒井大輔が所属するなど、ダイバーシティの一環として障がいのあるアスリートを支援

地域社会

●社会的に不利な状況にある子どもたちに才能開花の機会を提供すべく、BNPパリバ財団のプログラム「Dream Up」で芸術教育を提供

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