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リスク広報最前線

ハイオクガソリン巡る2つの事件 信頼回復の一歩は謝罪から

浅見隆行

複雑化する企業の諸問題に、広報はどう立ち向かうべきか。リスクマネジメントを専門とする弁護士・浅見隆行氏が最新のケーススタディを取り上げて解説する。

問題の経緯

2020年7月17日、20日

これまでは「純正」のものと信じられてきたが⋯⋯(この写真はイメージです)。


ハイオクガソリン混合出荷問題。これまでは、「各社独自のルートで供給している」とされてきた同ガソリンだが、その説明に疑義が呈された形だ。これを受け、石油連盟の杉森務会長は7月17日、「各社のハイオクの品質はほぼ同じ」と発言した。また、同月20日には、コスモ石油が同社のハイオクガソリン「スーパーマグナム」の性能について、「洗浄力が高い」などとうたっていたのに対し、消費者庁が景品表示法違反の疑いで調査に乗り出したことが分かった。

毎日新聞などによると7月20日、コスモ石油がハイオクガソリン「スーパーマグナム」の性能について「洗浄力が高い。使い続けるほどに、エンジン内をきれいにしてくれる」などと公式サイトに表示していたことに関し、消費者庁が景品表示法違反(優良誤認表示)の疑いで調査に着手したことが明らかになりました。

前号では景品表示法違反を予防するための広報部門の社内での役割について解説しましたが、今号では、この件を題材に、景品表示法違反の疑いが明らかになった後の危機管理広報を解説します。

リリース掲載までは良かったが⋯⋯

コスモ石油は1992年5月からハイオクガソリン「スーパーマグナム」の販売を開始し、2020年4月1日に「エンジンをきれいに保つ添加剤が加えられている」などと公式サイトの表現を修正するまで、10年以上にわたって、「洗浄力が高い。使い続けるほどに、エンジン内をきれいにしてくれる」「汚れを取り除く清浄剤が添加されていることも特徴」と表示していました。

表現を修正したきっかけは、毎日新聞からの宣伝内容と実際の性能に相違があるのではないかとの問い合わせだったようです。問い合わせ内容が事実であれば、ハイオクガソリンを購入する一般消費者に性能が実際よりも優れていると誤認させる表示となり、景品表示法に違反してしまいます。重要な修正であったため、コスモ石油は、4月1日付で「一部お客様の誤解を招く可能性がある表現がありましたため、修正を行うものです」とのリリースを公式サイトに掲載しました。

公式サイトの表現を修正や削除する程度の場合、往々にして、一般消費者が気付かないように、こっそりと修正して済ませてしまいがちです。その点、コスモ石油は、なぜ修正したのか、その理由を公にしたことは、誠実な広報対応であるように思います。この広報をしたことによって修正したこと自体への批判を免れ、あくまでも10年以上表示していた内容だけに批判の対象を絞ることに成功しています。

惜しむらくは...

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