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NHK大阪放送局『ルソンの壺』 | |
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放送日 | 原則、毎月最終日曜日午前7時45分~8時25分 |
放送開始 | 2007年4月 |
放送エリア | 関西地方 |
出演者 | 三神万里子(ジャーナリスト)、狩野史長(NHK大阪放送局アナウンサー) |
スタッフ数 | NHK大阪放送局プロデューサーほか番組プロデューサー計4人、ディレクター7人ほど。毎回1~2人のディレクターで制作。 |
反響の大きかった回
「“働き方改革”にどう挑むのか」(2019年11月24日放送)
2019年4月に施行された「働き方改革関連法」を受け、長時間労働の是正に取り組む4社を取材。公開収録を実施し、参加した50人のビジネスパーソンからも率直な意見を聞いた。
「データが生み出す新たな交通システム」(2020年1月26日)
高速バス事業などを手掛けるWILLER(ウィラー)(大阪市)が新たなビジネスとして展開している、次世代移動サービスの「MaaS(Mobility as a Service)」について紹介。近未来の交通システムを築こうとする計画に迫った。
「“必要”から先を読む~新エネルギーへの挑戦~」(2020年2月23日)
CO₂を排出しないクリーンエネルギーとして注目されている水素エネルギー。約80年前から水素の研究を続けてきたという岩谷産業(大阪市)の、「世の中の『必要』を見極めて先手を打つ」という成長の秘訣を探った。
NHK大阪放送局の『ルソンの壺』は、毎月最終日曜の午前7時45分から放送中の経済ドキュメンタリー番組だ。関西企業の“もうけの秘密”と“イノベーションの芽”を深掘りし、ビジネス成功の秘訣を伝えている。
主な視聴者層は50代以上の男女。この4月からは現役世代である30~40代にも狙いを広げ、テーマや企業の選定を行っている。
番組は、社長へのインタビューで成功の秘話を掘り下げていくメインコーナーのほか、ベンチャー企業コーナーや若手社員の思いに迫る「我が社のルーキー」コーナーなどで構成。番組プロデューサーの金田将二郎氏は「関西の企業を応援して、働く人にエールを送る番組にしたい」と語る。
「今起きていること」に着目
金田氏がプロデューサーに就任したのは2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大による影響の最中であったと同時に、世の中の人々の働き方や経済活動に対する価値観が変わりつつあるタイミングだった。
それに合わせ、番組の内容も少しずつ変化させている。「これまでは、過去に実績のある企業の施策や収益拡大のコツを取材することを重視していましたが、今年度からは、それも大切にしつつ、『今、起こっていること』に主眼を置いた番組制作を心掛けています」(金田氏)。
実際のところ、コロナの影響で取材やロケも満足に行えていないが、「関西の経済はまだまだ元気だということや、新しいビジネスの息吹を感じてもらえるような番組づくりを目指しています」と話す。
取り上げる企業は、日頃からディレクターらとこまめに連絡を取りながら決めている。取り上げる基準として、ただ「売上が伸びている」などの指標だけでは特集化はしない、と語る金田氏。「自分の価値観で今の世の中を解釈した上で、この会社を取り上げる社会的意義を言葉で説明できないといけない、と思います。例えば...