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米国PRのパラダイムシフト

T-Mobileとタコベルのコラボが話題 共同ブランディングのPR効果

岡本純子(コミュニケーションストラテジスト)

新聞記者、PR会社を経て活動する岡本純子氏によるグローバルトレンドのレポート。PRの現場で起きているパラダイムシフトを解説していきます。

7月23日から25日にかけ、T-Mobileの店舗にはタコベルとのコラボレーションによるメニューが登場。

7月23日から3日間、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴにある携帯大手T-Mobileの大規模店舗にて、珍しい商品が並んだ。タコベルのタコスとフローズンドリンクだ。Taco BellとT-Mobileを掛け合わせて「T-MoBell」と名付けられたこのプロジェクトは異色のブランドコラボとして注目された。

店舗は両社のロゴが組み合わさったデザインで派手に装飾され、ゲストのタレントが訪れた人と写真を撮ったり、コラボデザインの靴下が配られたりと、華やかな雰囲気に包まれた。実際にこの店舗に行けなかった人向けには、タコス1年分などの商品が当たるTwitterキャンペーンも同時に展開された。

T-Mobile社は毎週火曜日に様々な商品を無料で手に入れることのできる「T-Mobile Tuesday」というアプリが人気となっている。2019年2月からそのアプリを活用して無償でタコベル社のタコスを提供しており、そこから協業関係が深まった。派手なパフォーマンスで知られるジョン・レジェールCEOは「T-MoBellはタコスと携帯という、人々が愛する2つの商品の究極のフュージョン」と形容し、この企画の意義を語っている。

タコベルはほかにも異色のコラボで知られる。その代表格が、フリトレー社との協業だ。同社の「ドリトス」は皆さんご存じの通り、三角の形のコーンチップスだが、その味と食感を再現したシェルを使ったタコス「ドリトス・ロコス・タコス」を2012年に販売し、大きな話題となった。ドリトスとタコベルのタコシェル。似たようなもののように思えるが、味や原材料も異なるもので、商品化はそれほど簡単ではなかったようだ …

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