2019年4月、1大学、2中学高等学校、1小学校、1こども園から成る学校法人追手門学院の4番目のキャンパスとして、茨木総持寺キャンパスが大阪府茨木市に開校しました。
それまで追手門学院大学と追手門学院中・高等学校のあった同じ茨木市内のキャンパス(現茨木安威キャンパス)から、大学の全学部1年次生と地域創造学部、そして国際教養学部が移転し、追手門学院中・高等学校は全面移転しました。
新しい茨木総持寺キャンパスと茨木安威キャンパス間の距離は約2キロ。追手門学院大学は2キャンパス体制となり、新たな展開を迎えました。本連載の初回で逆三角錐という他に類を見ない形状の大学棟のイメージを紹介しましたが、それが完成しました。さらに大学の隣接地にはこれまた客船のような形をした中学高校棟ができました。
メディア向け見学会で教育改革を発信
今回は追手門学院の総持寺キャンパス開設を例に、教育改革に取り組む学院の姿を受験生・保護者をはじめ地域やメディアなどに知ってもらおうという一連の取り組みの中から、とりわけメディア向け見学会を取り上げます。
といっても何も新しいことではありません。本連載3回目でも紹介した、交流イベントを取り込んだ創立130周年式典(2018年11月)からの示唆である「直接広報」がキーワードです。周年式典は約1万人のステークホルダーを結集し、翌年の総持寺キャンパス開設と教育改革の始まりを宣言した、キックオフの役割がありました。次の段階は完成した総持寺キャンパスを会場に、ステークホルダーごとに内容を変えて見学会を開催し、新キャンパスというハードと合わせて教育改革の中身(ソフト)も体感してもらう「直接広報」の拡大です。
図1にまとめたとおり、5月のメディア向け見学会を皮切りに、大学周辺の地域住民や卒業生、保護者、行政機関や教育機関とそれぞれの対象ごとに開催しました。卒業生や保護者対象のものは、元々あった行事を会場のみ総持寺キャンパスに替えることで実現しました …