報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
東洋経済新報社「東洋経済オンライン」
【基本情報】 | |
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開設 | 2003年 |
編集体制 | 編集局に所属する記者は約90人。『週刊東洋経済』『会社四季報』「東洋経済オンライン」などに記事を執筆している。出版局の書籍編集者が記事を書くこともある。 |
反響の大きかった記事・特集
❶「田舎の長男」との結婚に絶望した彼女の告白(2019年1月3日)
3組に1組の夫婦が離婚する日本。そこに至るまでの原因を探った連載の中の1本。田舎の男性と婚約したものの、文化の違いになじめなかった女性の告白を紹介した。
❷日本人は「人口減少」の深刻さをわかってない(2018年5月9日)
8年連続で人口減少が続き、2045年に総人口が1億642万人になる見込みの日本。人口減少社会が日本にもたらす影響と、人口減少を防ぐ方法について、経済ジャーナリストの岩崎博充氏が解説した。
❸「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実(2018年3月26日)
ジャパニーズウイスキーの表記をめぐる問題を探った記事。日本の酒税法では、輸入した原酒を国内でブレンドしたりボトル詰めしたりすれば「国産」と表示できる、といった業界全体で取り組むべき課題を浮き彫りにした。
2018年12月、「東洋経済オンライン」(東洋経済新報社)の編集長に副編集長を務めていた武政秀明氏が就任した。124年の歴史を持つ『週刊東洋経済』から派生して2003年に開設したウェブメディアで、1日約15本掲載で月間2億PVを誇る。2012年11月のリニューアル以降、6年間でPV数が40倍以上に伸びた人気メディアだ。
正義ではなく「公平」な記事を
50~60代のビジネスパーソンをターゲットの軸にした『週刊東洋経済』などの雑誌とは違い、学生や主婦を含めた20~40代が主な読者。「経済や金融といったマクロの視点を大切にしながら、衣食住など個人的な話題との連動を大切にしています」と武政氏。
記事を執筆するのは、300人を超える社外の書き手と、各企業を担当する約90人の編集局の記者たち。記者は20~40代が中心だ。武政氏は東洋経済オンラインのモットーとして「"経済"という切り口から、読者の疑問に対して公平で明快な答えを探ること」を掲げている。偏った主観による"正義"を描くのではなく、あくまでも"公平"な記事を書くことで、「読者と一緒に考えたい」という姿勢を示す。
東洋経済新報社では上場会社のデータをまとめた『会社四季報』を制作しているため、編集局の中も3600社を産業ベースで分け、それぞれに担当記者がいる。ただ、それに縛られずに記者個人の興味・関心に基づき柔軟に取材できる体制としている。「そのほうが読者も身近な目線から世の中を見ることができる」と考えているのだ …