2017年12月、エイベックス(東京・港区)の新社屋がお披露目となった。実はこの新オフィス、2013年に設計を決定していたが計画を大幅変更。新たなタグライン「Really!Mad+Pure」を体現した空間へと進化を遂げた。

2017年12月にオープンしたエイベックスの新社屋ビル。その設計は、2013年の時点で「高さ100メートル越え」と決まっていた。内装やデザインも徐々に固まりつつあったが、世の中の働き方の風潮が変化し、会社の構造改革を進めていた時期にも重なり一転。「新社屋の設計は本当にこれでいいのか?」。完成予定の1年前に、松浦勝人代表取締役社長CEOからグループの成長戦略の発表とともに、こう投げかけられた。
短期間で従来の計画から、新しく設定した3つのコンセプト「働きがいのある」「エンタテインメント企業ならではの機能を備えている」「コミュニケーション・コラボレーションが起きる」に合うオフィスに再設計された。
中でも社内外の「コミュニケーション・コラボレーションが起きる」という点では、新たにエンタテインメントとのシナジーが期待できるテクノロジーや起業家らとの交流を目指すコワーキングスペース「avex EYE」が設置されたほか、社内にアーティストやアーティスト予備軍のためのレッスンスタジオを設けることになった。
執務エリア内はフロアを縦断したフリーアドレス制が導入され、予約なしで使える打ち合わせスペースも、ゆとりある面積と座席数を確保した。1組のアーティストに関わる業務を担う社員らが部署を横断して集まりやすくなるなど、実務的な利点も多い。
グループ執行役員グループ戦略室長の加藤信介氏は、「社員に働きやすいオフィスになったと実感してもらうことで、今以上に新たなコミュニケーションやコラボレーションが起こるような仕掛けができるはず。これからも改善を重ねていきたいと考えています」と語る …