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ヒットの仕掛け人に聞く

80年代風クリエイティブが支持を集めたオーディオテクニカの「サウンドバーガー」

松本竹見(オーディオテクニカ)

オーディオテクニカは、2022年の創業60周年記念商品として「サウンドバーガー『AT-SB2022』」を復刻。世界限定7000台は即完売した。この人気を受けて通常商品として誕生したのが「サウンドバーガー『AT-SB727』」だ。

    DATA

  • 商品名:サウンドバーガー「AT-SB727」
  • 希望小売価格:オープン価格
  • 主な販路:公式オンラインストア、家電量販店など

デザインはそのままに機能はアップデート

──「サウンドバーガー『AT-SB727』」について教えていただけますか。

「サウンドバーガー『AT-SB727』」は1982年に発売した「サウンドバーガー」の復刻プロダクトです。2022年11月に、当社の60周年記念モデル「サウンドバーガー『AT-SB2022』」として世界で7000台の数量限定で復刻したところ、発売開始後すぐに完売となり、ありがたいことに再販を望む声もたくさんいただきました。そのようなこともあって、お客さまの声にお応えするかたちで2023年の5月に通常販売を開始することになりました。

商品の最大の特徴は片手でも持ち運びができるレコードプレーヤーということですね。「サウンドバーガー」はその名の通り、レコードをハンバーガーのパティのように挟んで楽しめるデザインも個性的です。

復刻にあたって、性能面では現代のデマンドに対応できるようにBluetoothやUSB充電式など、アップデートを行いましたが、外見のデザインは変えないようにこだわりました。当時はCADもなく、データも保存されておらず、設計図も金型も残っていない状態であそこまで忠実に当時のデザインを再現できたことにはエンジニア魂を感じています。

若年層には新鮮さがある「80’s」にこだわる

──プロモーションではどのようなことをされましたか。

昨年に復刻版を発売して以来、「サウンドバーガー」の存在はSNSなどで継続的に話題になっていました。しかし、再販を伝えるプロモーションはもちろん必要ですよね。

そこで、今回の発売に合わせて行ったのがグローバルで期待感を高めるようなティザームービーの制作です。広告配信先はTwitter(現X)やInstagramなど。発売以降もSNSを中心に情報を発信しています。

──2023年5月の再販にあたり、ターゲット設定はどうされたのでしょうか。もともとのコアファンへ向けてなのか、新規の獲得を目指されたのか、どちらでしょう。

広告コミュニケーションのターゲットには、1982年版の「サウンドバーガー」を知らないような若年層においています。だからこそ、ティザームービーなどの広告配信はSNSを中心に行ったのです。

一方、商品としては、若年層に加えて、発売当時を知るコアユーザーやオーディオファンも意識しています。実際、今回の復刻を機会に、レコードは持っているけれど最近は配信やモバイルデバイスで音楽を聴いていたという人たちにもう一度レコードを聴いてみようと思ってもらえているようで、これは個人的にも嬉しかったですね。

──ティザームービーなどの内容ではどんな工夫をしましたか。

近年、アーティストたちがアナログレコードを発売していることもあり、レコードを持っている若者が増えています。しかし、聴くための機器がないのでレコードがインテリアになってしまったり、飾りとして活用しているケースも多いんですよね。

そこで今回の再販ではコミュニケーションメッセージを「SAVE THE VINYLS」とし、自宅で眠っているアナログレコードを…

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