キャッチコピーをはじめとした様々な文章を生成する、AIコピーライティングツールが誕生しています。活用の仕方によっては、営業活動で使用する資料作成やメール文などの文章作成業務も効率化することが可能です。また、動画制作や企画書作成もできるという生成AIを、営業・セールスの現場ではどう活用できるのでしょうか。サービス「Catchy」を提供する古川渉一氏にその方法を聞きました。
Q. 生成AIがセールスの現場でも注目されている理由は?
A. チャットボットで“人間味”のある対話が可能になったから。
これまでは、ルールベース型AIと呼ばれる、人がAIに登録した情報やルールをベースに作業を行うタイプの人工知能技術が主流でした。しかし昨今話題を呼んでいる、米・OpenAIが開発したChatGPTなどに見られる生成AIは、チャットボット上でより人間味のある対話が可能になってきていることから、活用の幅が広がっています。
理由に、大規模言語モデルと言われる、膨大な知識量の学習が可能になったことがあります。さらに、これまでと同様に人間がAIにデータを教え込むことでより人間の共感を呼ぶ対話が可能になりました。
Q. 営業担当者が生成AIを活用することのメリットは?
A. 営業活動のパーソナライズ化が強化できる。
まず、生成AIを活用することで生まれた時間を活用することこそが、活用から生まれる付加価値です。そのため、業務効率化はもちろんですが、あくまでもAIに任せるのは資料作成やメール文の作成といった単純作業で、実際に顧客と会話する商談などの、“感情を伴う業務”は人間自身が行うべきだと思います。
それらを踏まえた上で、おすすめしたい活用法は主に2つです。
❶ 1対1のセールス
商談先の顧客情報を詳細に調査した上で提案することは、理想的なセールス活動ですよね。しかし、時間や人手不足の関係で不可能だったという担当者も多いのではないでしょうか。生成AIは、このような課題の解決に可能性を見いだせると思っています。
通常であれば1から調査する必要のあったものが、生成AIに顧客の製品やビジネスモデルといった関連情報を一度学習させることで工数がグンと減少できると考えられます。このように、営業のハイパー・パーソナライズ化が叶い、AIの活用が売上実績に繋がる時代が来るでしょう(図1)。
❷ ロールプレイ
AIの最大の利点は、提供する情報を相手に応じて適切にカスタマイズできることです。顧客の業界や役職、個々の特徴など、細かい情報をAIに提供することで、商談の場面をリアルに...