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成長が続く店の条件

老舗メーカーによるソフトクリーム店 燕市の社会循環に触れる拠点とは

山本仁美(ほしゆう)

新潟県に本社を置くほしゆうは2023年4月、新事業「サーキュラーソフトクリーム」の開始を発表した。65年以上続く老舗パッケージメーカーの同社が、なぜソフトクリームに関連した社会循環型店舗に着目したのか。店舗とその取り組みについて、同社の経営企画部 山本仁美氏に話を聞いた。

多種多様な技術を持った小規模事業者が集まり「ものづくりの街」としても知られている、新潟県燕市。同市に本社を置くほしゆうは、パッケージメーカーでありながら、今年5月に新事業となる「サーキュラーソフトクリーム」の実店舗を開店した。「ハコはプロダクトである」というミッションステートメントのもと、地域とその子どもたちへの還元を目指す拠点として、オープンに至った。

箱の価値を広める手段を模索
専門店を選ばなかった理由

「サーキュラーソフトクリーム」は、安全な素材を使用し、社会性と循環性の基準を満たしたソフトクリームを提供するカフェだ。併設するショップでは、フェアトレードやアップサイクルに関連した書籍を販売。地域の子どもと大人に学びの機会と場を開いた、自然と社会循環に触れることができる実験的な店舗としている。

※ 捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること。

山本氏によると、新事業の一環であるソフトクリーム店開店のきっかけは、原材料の高騰や箱自体を不要と捉えられる現代の風潮。これまで制作してきた“箱”を取り巻く社会環境の変化が背景にあった。

「事業を構想していた当時は、パッケージの新しい価値を伝える方法を模索していました。“箱”のみを売る専門店を運営する形も考えたのですが、より多くの方に当社の実績や技術を伝えることは難しいと思いました。そこで着眼したのが年齢や性別を問わず、生活者を笑顔にするソフトクリームの提供。社内でのアイデア共有の中で、老若男女を笑顔にするものはソフトクリームだという結論に至りました」(山本氏)。

「箱の要素を感じてほしい」という思いで作り上げた店舗。...

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