収納用品などのインテリア商品を製造・販売する平安伸銅工業。差別化の難しい商品を取り扱う同社は、DIYパーツやインテリア性の高い突っ張り棒など顧客ニーズを満たす新商品がヒットし話題となった。商品の生み出し方から認知拡大・購買促進の取り組みまでを、同社代表取締役の竹内香予子氏に聞いた。
差別化を目指し商品に新しい意味合いを付加
──代表取締役就任の直後からユニークな取り組みを進めていますね。
当社は突っ張り棒をはじめとした収納用品を製造・販売している会社です。祖父が創業し、私で3代目になります。会社を継ぐ前は3年間新聞記者として働いていました。自身がどういった企業のPR情報に目を留めていたかなどの経験を活かし、代表取締役に着任後は新しい商品を生み出すことに加え、それをどのように見せ、伝えるかも徹底して考えてきました。
──新商品開発の経緯を教えてください。
突っ張り棒などの日用品はコモディティ化しやすいため、なかなか売上を拡大することが難しいという思いがありました。そのため、今後売上を伸ばしていくには自分たちで市場をつくらなければいけない、と感じていました。
そこで、これまで培ってきた技術を生かした新商品の検討を開始しました。今ある商品の見方や発想を転換し、商品に新しい意味合いを付加するという発想で生まれたのが、簡易DIYパーツ「LABRICO(ラブリコ)」や、よりインテリア性の強い突っ張り棒「DRAW A LINE(ドローアライン)」といった商品です。
商品のアイデアは自身の仮説を元にしつつ、同時にそこにニーズがあるかもしっかりと確認しています。
──顧客のニーズはどのように把握されていますか。
入社当初は、私自身が親和性の高いコミュニティに飛び込むことで情報を得ていました。例えば整理収納アドバイザーなど、商品に関連する...