ここ数年でスマホでの決済サービスが普及し、キャッシュレス決済が可能な店舗は大幅に増えた。決済手段として利便性の高さはもちろん魅力的だが、消費行動に対しても大きな影響を持っている。キャッシュレス決済の現状と未来について、楽天ペイメントの奥村祥語氏に話を聞いた。
使用比率は30%超え さらなる加速を見込む
──この数年でキャッシュレス決済が浸透してきたように感じます。
日本における購買でのキャッシュレス決済の使用比率は、2021年時点で32.5%(※1)になっています(図1)。
5年前と比較すると、10%以上キャッシュレス決済の使用比率が増えていますが、この傾向はより加速していくでしょう。経済産業省では、2025年までにキャッシュレス決済の比率を40%、将来的には世界最高水準の80%を目指すとしています。当社としては、2030年までに100%のキャッシュレス化(ゼロキャッシュ)を構想しています。同じアジア圏では、韓国と中国はいずれもキャッシュレス決済の比率が既に80%を超えており、ゼロキャッシュの実現も難しいことではないと考えています。
──楽天ペイを始めとするキャッシュレスサービスを展開していますが、利用状況はいかがでしょうか。
当社では主にスマホ決済の「楽天ペイ」、電子マネーの「楽天Edy」「楽天キャッシュ」、共通ポイントサービスの「楽天ポイントカード」をキャッシュレスサービスとして展開しています。楽天ペイで言えば、利用者数は約5000万人(21年6月時点(※2))に達し、利用可能な街のお店は600万箇所(※3)になりました。中小店舗様向けに決済手数料実質0円のキャンペーンを行ったこともあり、2020年から2021年の1年間で楽天ペイが使用できる新規加盟店は約10倍に増えています(※4)。
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