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「段ボール」が販促ツールに進化 売り場での販売チャンス拡大やEC活用も

レンゴー

「段ボールが包装資材としての役割だけでなく情報発信力を持つ販促ツールになる」。長年、業界を牽引してきたレンゴーがいま、新たな改革を始めている。最新のデジタル印刷を駆使したパッケージ「デジパケ」が可能にする、段ボールのプロモーションツールとしての活用について聞いた。

バリアブル印刷を活かした展開イメージ。

業界最大手のレンゴーでは、製紙、段ボール、紙器、フィルムやラベルなどの製造・販売から、包装システムの開発・販売などの事業を展開している。「主力製品である段ボールはこれまで、商品を包んで保護し、売り場まで届ける、いわば『運ぶサポート』がメインでした」(縄田氏)。

資材として「運ぶサポート」から販促物として「売るサポート」に

変化が訪れたのは1999年ごろ。段ボールパッケージのユニバーサルデザインを検討する中で、当時としては革新的だった茶色の段ボールに白インキを活かしたデザインを考案。「茶色に対して白インキは最も視認性が高い=売り場で目立つということに気が付き、店頭での販促ツールとして活用できるのではないかという社内の気付きがありました」(縄田氏)。しかし当時の取引先メーカーからの反響は芳しくはなかった。

国内小売現場での段ボールといえば、あくまでバックヤードまで安全に届ける資材としての認識が根付いていたからだ。

一方、岡野氏は「欧米市場ではカラフルなパッケージデザインの段ボールをそのまま陳列するアルディやリドルのようなハード・ディスカウントストアが以前から消費者に支持されていました」と語る。こうした段ボール陳列によるインストア・プロモーションを日本でも実現するために、2019年、同社は日本国内初となるデジタル印刷機を導入。『デジパケ』の提供をスタートさせた。

美しい印刷再現力。バリアブルで多種多様なデザイン

デジパケの特長はなんといっても印刷再現力だ。多くの商品が並ぶ中、シズル感を美しく再現したデザインのパッケージは、インパクトがあり来店者の目を引くことができる。非計画購買が7、8割とも言われる小売現場においてデジパケなら「思わず手にとりたくなる」きっかけをさらに後押しする。

店頭で販売チャンスを増やそうとした場合、多くはポスターやSPツールを作成する。しかし、小売現場の負担増加などが原因で、ツールが店頭で設置されないことも少なくない。一方、デジパケは店舗に届く段ボールをそのまま売り場に陳列すれば、展開率100%のプロモーションツールとして利用できる。

また、縄田氏は「当社が導入したデジタル印刷機は可変印刷の機能があります」と説明。1つの商品で何種類ものレシピを紹介したり、積み上げて大きな広告として機能するよう全てのケースを異なるデザインに印刷することができる。商品自体は通年販売されているものであっても、デジパケで季節に合わせたデザインを印刷することで、常に新鮮な売り場を演出。「印版が不要なので、新商品のPRやターゲットを絞った訴求などにトライしやすく、販売チャンスを広げる商材として活用できます」(岡野氏)。

デジパケを広告メディアとして活用

店頭での商品訴求、ECでのファンマーケティングツール以外にも、デジパケは広告メディアとして活用することもできる。「EC配送箱に自社商品の告知・宣伝を印刷したり、コラボや広告掲載枠としての販売も可能です。様々な可能性がある一方、まずは段ボールが資材ではなくプロモーションツールになるという認知を広めていきたいです」(縄田氏)。

注目度アップで季節限定商品の売上前年比149%

菓子メーカーの東ハトでは、主力商品「キャラメルコーン」の店頭販促施策としてデジパケを採用した。秋に期間限定で発売した「キャラメルコーン ミルクティー味」の段ボールに、商品パッケージと連動したデザインを印刷。スーパーマーケットのチェーン店舗でケース陳列を行った。

東ハト担当者は「赤やオレンジなど秋色の商品やツールが並ぶ中、商品パッケージと連動した鮮やかな青色がとても目を引きました。実際に視察した店舗では、通りがかったお客さまが足を止め、商品を手にとっている場面を何度も見ました」と振り返った。段ボール陳列期間の売上は前年比149%と伸長し、スナックカテゴリでも1位を獲得した。「段ボールではなく専用什器で並んでいるようなイメージが小売に対してもアピールとなりました」(同社マーケティング本部 速水雄飛氏・中山卓也氏)。

店頭展開イメージ。

人気アニメとのコラボデザインで新規顧客を獲得

デジパケは、ECの配送パッケージでブランディングやファンマーケティングツールとしての採用も増加している。

スポーツ用品を扱うデサントジャパンは、EC販売において「お客さまに感動を与える」というミッションを掲げている。こうした背景から、配送パッケージでもユーザーに体験価値を伝えるためデジパケを採用。資材を広告販促物として活用している。

2022年に人気アニメ『TIGER & BUNNY 2』コラボレーション商品を販売。配送パッケージに人気キャラクターたちが象徴的にデザインされた。受注生産品の発送後、パッケージを受け取った購入者からSNSを中心に大きな反響を呼んだ。その後の一般販売は数日で完売し、「普段スポーツ用品を購入しないお客さまからも、パッケージが広告となりブランドを知ってもらう機会につながりました」(同社EC運営課 鈴木彩氏)。

『TIGER & BUNNY 2』コラボレーション商品の配送パッケージはSNSを中心に話題を呼んだ。©BNP/T&B2

写真右
レンゴー
パッケージング部門開発本部
デザイン・マーケティングセンター
副本部長兼センター長
縄田幸男氏


写真左
デザイン・マーケティングセンター
マーケティング課
担当部長代理兼課長
岡野香織氏

    お問い合わせ

    レンゴー株式会社
    〒108-0075 東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス
    TEL:03-6716-7390
    E-mail:retailmate@ml.rengo.jp
    担当:藤井

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