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エリアに特化した戦略で前年比300% ニチバンのメディア×小売施策

宣伝会議 新規事業開発部

「セロテープ®」を始めとする文具・事務用品、救急絆創膏などのヘルスケア用品を製造・販売するニチバンは、新規事業で「日本のメディア」を活用し、売上高前年比300%を達成することに成功した。企画成功の舞台裏についてニチバン コンシューマー営業本部 オフィスホーム営業統括部 渡邉智和氏に話を聞いた。

「当社は2018年に創業100周年を迎え、次のステージに向けた新たな取り組みを展開しています。そのひとつが、キッチン雑貨市場への進出です。その中核ブランドとして2015年から『ディアキチ™ワザアリ™テープ(以下、ワザアリテープ)』を商品展開してきたものの、認知度の伸び悩みが課題となっていました。私は2021年4月に別部署から異動してきたばかりで、この課題に対してどのように取り組めばよいか迷っていました。そのため、メディアの方が自社のノウハウを生かして提案してくれるのはまたとない魅力的な機会でした」とニチバン コンシューマー営業本部 オフィスホーム営業統括部の渡邉智和氏は「日本のメディア」のオファーサービスを利用したきっかけについて振り返る。

予算が限られる中、解決策を求めて「日本のメディア」のオファーサービスを利用したところ、幾つもの提案が集まった。その中で選ばれたのが中京テレビだ。

ニチバンからの期待を受けて企画を提案した、中京テレビ 営業局営業推進部 山田有吉氏は次のように語る。「提案に可能性を感じていただき、とても光栄でした。当社は東海3県を対象とする民間の地上波放送局ですが、オフライン・オンライン問わずイベント企画実施にも力を入れています。当社の強みであるテレビと様々なコンテンツをミックスすることで、ニチバン様の課題を解決できたらという思いでご提案させていただきました」。

キッチン雑貨市場へ挑む「ディアキチ™ワザアリ™テープ」。


中京テレビからはテレビ番組と小売店舗を連動させた企画の提案があった。

放送から店頭までをカバー

渡邉氏が「一度使ってさえもらえれば、家庭のあらゆるシーンで重宝する必需品になれる」と話すように、『ワザアリテープ』は使いやすさと汎用性を兼ね備えた“かゆいところに手が届く”商品である。中京テレビには購買行動のファーストステップである“認知度向上”につながる施策を期待していた。その期待は、良い意味で裏切られる。中京テレビが提案したのはさらにその先、消費者を購入そのものに導く施策だった。

「まずはテレビ番組を通じて『ワザアリテープ』を認知してもらい、欲しいと思ってもらう。次に、『ワザアリテープ』の販路として小売店の陳列棚を確保する。そして、サンプリングを実施して商品力の高さを実感してもらいます」(山田氏)。放送局が提供する代表的な施策といえばCMだが、山田氏は「テレビCMは認知を獲得する上では効果的だが、それだけがテレビ局の提案できるすべてではない。テレビを起点とした購買動線をつくれないか」と考えた。

商品をテレビで紹介することで商品特性を広く知ってもらう入り口を用意する。テレビを見た人が小売店に行くとそこには売り場が連動しており、実際にその商品を手に取って見ることができる。エリアの流通との関係性を持っている地域密着型の放送局だからこそできる仕掛けだ。

また、テレビ放送を起点に、住宅展示場での商品サンプリングをはじめとしたオフライン施策を展開。特に、超大型ホームセンター3店舗では、特別棚を設置し、8日間にわたり商品販売・告知キャンペーンを実施。特別棚の効果を小売店側が実感したことで、『ワザアリテープ』を取り扱う店舗は11店舗から59店舗に増加した。

一連の施策実施の結果、『ワザアリテープ』の東海エリアにおける売上高は前年比300%を記録。全エリア平均の前年比120%と比較すると、本施策の効果の大きさが伺える。

番組のコンテンツと連動させることで、認知度を高めつつ、大手ホームセンターでの流通企画を行うことで、高めた認知度をそのまま購買につなげることに成功した。

中部の成功事例を九州でも展開

渡邉氏は中京テレビとの取り組みを踏まえ、同じ座組みを注力エリアである九州で実現できないかと、再び「日本のメディア」を活用する。そこでパートナーに選ばれたのは九州朝日放送だ。テレビ番組とのコンテンツ連動、九州有数のホームセンターであるグッデイ各店での販売棚設置に加え、テレビ番組を視聴できなかった層にも広められるよう、テレビ番組のプレゼントコーナーやグッデイの公式Twitterアカウントでのプレゼントキャンペーンを行った。

「前回からブラッシュアップしたいと思っていた点は、SNSを活用した情報の拡散とTV番組を見られなかった方にも少しでも知っていただくきっかけ作りです。SNSを活用した情報拡散については小売のタイアップ企業であるグッデイ様の公式Twitterを活用したプレゼント企画を実施し、九州朝日放送様にはオリジナルCMを制作いただき、9月にスポットで放映いただきました。また、番組内でも視聴者プレゼント企画を差し込み、予定していた番組プロモーション以外にも多くの露出機会をいただき、想定以上のリーチができたと考えております。メディアの方と直接やり取りすることで、企画進行の中で当社の課題について理解を深めていただき、スピード感を持って提案がありました。プレゼントキャンペーンについても、こうしたやり取りの中で生まれています」(渡邉氏)。

「過去2回はTVメディア様、小売様とタイアップした企画を実施させていただきましたが、メディアの形式にとらわれず、商品の良さをユーザー様にしっかりと届けられる企画を今後も積極的に検討していきたいです」と渡邉氏は語った。



ニチバン
コンシューマー営業本部
オフィスホーム営業統括部
渡邉智和氏

    お問い合わせ

    宣伝会議 新規事業開発部
    TEL:03-3475-3010
    houjin@sendenkaigi.com

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