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売上を伸ばすための基礎知識 販促の基本

売れるコピーに文章力は不要 販促物を優秀なセールスマンにする方法

大橋一慶(みんなのコピー)

コピーライティングは、販促の成功を支える重要な1ピース。しかし、何をどのように書けばよいのか悩むことは多い。多くの初心者を成功へ導いてきたみんなのコピー大橋一慶氏が、売れるコピーを書く技術を解説する。

LPやバナー、チラシ、DM、POP、メール、LINEなどで語られるコピーは重要です。なぜなら、お客さまは、そのコピーを読んで、商品の価値を知り、反応するかどうかを決めるから。以前、複数のクリニックへ資産運用商品を案内するLPで、冒頭の数行のコピー(キャッチコピー)を変えてみました。すると、反応が倍増し、売上に7000万円の差が生まれたのです。これは、ほんの一例にすぎません。コピーが販促に重要なことは、疑いようのない事実です。

しかし、多くの担当者が、何をどのように書けばよいのか悩みますが、ご安心ください。売れるコピーを書くのに、文章力やセンスは必要ありません。必要なのは、販促物や広告を「優秀なセールスマン」にする方法を正しく実践すること。その方法を「セールスコピー」と呼びます。

セールスコピーで何よりも大切なこと

セールスコピーは「誰に何を言うのか?」と「何をどう言うのか?」の2つの要素で成り立ちます。「誰に何を言うのか?」は、広告用語で「訴求」と呼びます。販促物や広告で伝える「提案内容」と考えればわかりやすいでしょう。「何をどう言うのか?」は、キャッチコピーやボディコピーなどの文章表現のことですが、ここで質問です。「誰に何を言うのか?」と「何をどう言うのか?」は、どちらが大切でしょうか?

答えは「誰に何を言うのか?」。つまり、訴求の方が大切です。なぜなら、キャッチコピーもボディコピーも、1つの訴求を表現する言葉になるから。訴求がズレていたり、魅力的でなかったりしたら、どれだけ表現を考え尽くしても意味はありません。たいして欲しくないものを、言葉巧みに売り込むコピーになってしまいます。

セールスコピー作成手順
重要なのは、文章力や表現力ではなく、優れた提案があるかどうか

なぜ、シンプルな言葉で、反応が得られるのか?

想像してみてください。価値の低い提案を、言葉巧みに売ろうとするセールスマンが現れたら、どうしますか?買わないどころか、もう二度と来ないでほしいと思うでしょう。でも「今まさに、それが必要です!」と反応してしまう、すばらしい提案をしてくれるセールスマンが現れたら、どうでしょうか?営業トークが上手くなくても、真剣に聞いてしまうのではないでしょうか?これと同じで、セールスコピーで重要なのは、文章力や表現力ではなく、優れた提案があるかどうか。

つまり、売れる訴求が何よりも重要です。ターゲットが「もっと詳しく教えてほしい」と反応する、魅力的な訴求を考えることができれば、シンプルな言葉を使うだけで反応が得られます。

お客さまがお金を払う、本当の理由とは?

では、どのようにして、売れる訴求を考えればよいのか?それは「誰に何を言うのか?」の答えです。具体的に言えば「どんなターゲットに、どんなベネフィットを言うか?」の答え。セールスコピーにおいて、とても重要なことなので、ここで「ベネフィット」について解説しておきましょう。ベネフィットとは、商品を使うことで得られる嬉しい未来のこと。お客さまは、ベネフィットを得るためにお金を払おうとします。

たとえば、ダイエット教室に通いたい人は、講師やサポート内容、設備そのものにお金を払いたいのではありません。痩せて、きれいになって、褒められる未来のためにお金を払いたいと思うのです。セールスコピーの目的は、1件でも多く買ってもらうこと、1人でも多くの人に財布のひもを緩めてもらうこと。だからこそ、お客さまがお金を払う理由であるベネフィットを、魅力的に伝える必要があります。ベネフィットとメリットの違いがわからずに、悩む方も多いですが、結果と理由で分けて考えれば、整理しやすくなります。

この視点で、下記の例文を見ながら、ベネフィットとそれ以外を整理してみましょう。

ユーザーが求める嬉しい未来は、寒い冬でも快適に釣りが楽しめること。つまり「真冬の夜釣りでもジワッと汗ばむ」が、ベネフィットです。この嬉しい未来が叶う理由として存在するのが「最新の発熱防寒機能」。これが、メリットや特徴となります。



訴求を考える際は、お金を払う理由であるベネフィットを魅力的に伝えることを重視する。

売れる訴求を作る ファーストステップ

「どんなターゲットに、どんなベネフィットを言うか?」の答えが、売れる訴求とお伝えしました。では、どのような手順で、その答えを導き出せばよいのでしょうか?ベネフィットは、お客さまが求めることですから、ターゲットを明確に決めておかなければ導き出せません。また、同じ商品でも、ターゲットが変われば、求められるベネフィットが変わります。そのため、訴求を考えるファーストステップは、狙うべきターゲットを明らかにすること。

ただし、いきなりペルソナ(理想的な顧客像)を...

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