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売上を伸ばすための基礎知識 販促の基本

「自分ごと」「伝わるメカニズム」「シンプル」化でアイデアが伝わる

前田鎌利(プレゼンテーション協会)

どれだけ素晴らしい企画やアイデアでも、プレゼンの際にそれをきちんと伝える手段(企画書制作)を身に着けていなければ、企画実現には至らない。自分の頭の中にあるアイデアをきちんと相手に届ける企画書作りのポイントを解説する。

せっかく良い企画を思いついても、実際にプレゼンしたら「う〜ん。よくわからないな。」「そもそもこれって、うちでやる必要あるの?」と言われたらショックですよね。これまで1000社以上の企業でプレゼンのレクチャーを行ってきた中で決裁者やクライアントから言われたコメントで最もよく聞く2つがこの「わからない」「そもそも」です。なぜこのようなコメントをされてしまうのでしょうか?

原因は次の3つのうちどれか1つでも欠けてしまっていることに起因しています。それは、「自分ごと化」「伝わるメカニズム化」「シンプル化」の3つができていないからです。

「自分ごと化」とは?

まず、企画書を見ていただく方は、あなたのことやあなたが所属する会社についてあまり知らない赤の他人です。赤の他人の話を真剣に聞くことは日常ではありません。なぜなら自分に対して大きな影響がないからです。どうすれば赤の他人の話を真剣に聞いてくれるでしょうか?それは自分に関係すること=自分ごとにすることです。

この自分ごと化を行わない状態で一方的に話しをしても相手に響くことは100%ありません。どんなに短い時間のプレゼンテーションであってもしっかりと、「これはあなた自身に関係があることですよ」という当事者意識を植え付けるアクションが必要になります。では、具体的にどうすればいいのでしょうか?その方法は「4つのつかみ」のいずれかを用いることで実現可能です。

①質問⋯質問をされると自分はどうか?と考える。
②数字⋯インパクトのある数字はなぜその数字なのか?と考える。
③エピソード⋯プレゼンターのマイストーリーを自分に置き換えて考える。
④宣言⋯なぜそんな極端な宣言をするのか?どうやって実現するのか?と考える。

企画書の冒頭でこれらの4つのつかみのいずれかを行うことで相手に企画内容を自分ごと化させることが可能です。つまり企画内容を知りたいという状態に持っていくわけです。

気をつけなければならないのは、コンペなどの場合において他社の提案とつかみや内容が被ってしまうリスクがあります。いかに他社が打ち出さず、かつインパクトがあるつかみを作り出せるかどうかが企画書の大きなポイントであることはおわかりいただけると思います。想像してみてください。どの企業も、企画書の最初に「コロナの影響で世の中は変わりました⋯⋯」といった出だしのスライドを持ってきたらおそらく2社目から読みたくなくなるはずです。

「伝わるメカニズム化」とは?

つかみで自分ごと化に成功したら、次はいよいよあなたの企画内容ですが、ここで一方的にアイデアを伝えても伝わりません。伝えることは誰でもできますが、伝わることは難しいもの。どうなれば相手に伝わった状態であるといえるでしょうか?

それはあなたが目指すべきゴールに至ること。すなわち目的を実現することです。目的を実現させるためには相手が行動してくれるかどうか。この一点にかかってきます。

これを順序立てて分解すると以下(図表1)の流れになります。

図表1 自走して目的を実現する姿をイメージすることが重要

<自分>
①伝えたいこと・目的が明確である(絞り込まれている)
②伝える(プレゼンする)

<相手>
③理解する
④納得する
⑤意思決定する
⑥行動する

<自分>
⑦自走する

いかがでしょうか?まず何を実現したいのか?なんのためにそれを行うのか?伝えたい内容が絞り込まれていることが重要です。企画書に目を通すのは限られた時間であるにも関わらず、本編の資料にあれもこれも詰め込んでは、結局何がしたいのか?(何をリクエストされているのか?)がわからなくなってしまいます。

まず ①目的を明確にして絞り込むことが重要です。次に ②企画内容を伝える(読んでもらう)のですが、資料を作って終わりだと思っている人が多く見受けられます。②で終わってしまうのであれば一方的に伝えた状態ですから、これでは伝わったとはいえません。

②が終わった時点では伝えただけですから、その企画書を読んだ相手は ③理解する状態になっています。ですが、理解は目を通しただけでは不十分なはず。相手はあなたの企画内容について質問をしたいはず。わからないところ、不明なところを払拭して安心したい、この企画を提示したあなたを信頼したいのです。これが質疑応答です。

この質疑応答で相手の質問に対して、「その...

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