いい企画を、正しく伝えるための企画書術
第14回「販促会議 企画コンペティション(販促コンペ)」で最終審査員を務めた嶋野裕介氏が、昨年の販促コンペで惜しくも受賞を逃したファイナリストの作品を解説する連載の最終回。来る第15回販促コンペに向けた必読の内容だ。
2010年に開催した「第1回 販促会議 企画コンペティション」(販促コンペ)でグランプリを受賞した日本コカ・コーラ(CCJC)「シークレット・メッセージ」。今なお色褪せないこの企画は、どのような背景から考えられたのだろうか。受賞者である電通プロモーションプラス 菊池雄也氏に話しを伺った。
電通プロモーションプラス
クリエイティブディレクター
菊池 雄也氏
コピーライティングに軸足を置きながら、CMプランナー、プロモーションプランニング、デジタルキャンペーン、イベント企画、UXデザインなど、枠にとらわれないクリエーティブワークを実践。「新しい意味づくり」が最近のテーマ。実は八丈島出身の海人。
当時はコピーライターとなって5年目の頃だと思います。ポストプロダクションに出向いて修正待ちをしていたとき、たまたま置いてあった月刊『販促会議』を開きました。「販促コンペ」が初開催されるという記事に目が留まり、ちょうどそのとき一緒にスタジオにいた森くん(共同企画者の森康成氏)と頭の体操の一環として、修正ができ上るまでに何か考えようと、取り組んだのがきっかけです。
選んだコカ・コーラの当時の課題は「ティーンのコカ・コーラ飲用者・飲用頻度の拡大につながるプロモーション提案」というものでした。その際、まず考えたのは「コカ・コーラを贈り物にできないか」ということです。自分で飲むだけなら1本ですが、友人にプレゼントするなら2〜3本は買ってくれるのではないかと思いました。それを取っ掛かりとして考えていくと、コカ・コーラのボトル側面に黒いペンでメッセージを書けば飲み干さないと読めないのでは?というアイデアが出てきました。
早速コカ・コーラを買いに行き、ペンで書いてみると狙い通り。秘密のメッセージを書いて、飲み終わったら文字が出てくるというコンセプトが決まりました。
その場ですぐ企画書の大まかな骨子を作り、後日詳細を詰めていきました。実際に何人かの友人に...