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マーケティングの「禁じ手」十手

「つい合理的に整理してしまう」〜『UI・UX』のわな~

國田圭作(嘉悦大学)

今回は、誰もが重要だと言っている割にはまだまだユーザーファーストになっているとはいえない感があるUI・UXについて、そこに潜む“合理性の罠”について考察してみます。

みなさん、ミッシー(MECE)という言葉を聞いたことはありますか?ビジネスシーンで報告書類などを準備するときによく使われる、「もれなく、ダブりなく」という意味のキーワードです。実はこれ、一つの英単語ではなく“Mutually Exclusive Collectively Exhaustive”(相互に排他的で、全体として網羅的)という文章の頭文字で、ロジカル思考を象徴する言い回しになっています。

ミッシーでないと情報を受け取る側が混乱したり、分析が甘いという印象を与えるので、基本的にビジネスシーンではミッシーを心がけるべきなのですが、ミッシーであろうとしすぎると大事なものを見失ってしまう、という問題があります。ここにACバイアス(図)が潜んでいるのです。

図 売り手が「ロジカル思考」を徹底しようとすることで生じるミスマッチ

例えば、国内旅行の検索・申し込みサイトを例にとって考えてみましょう。北海道ですか?九州ですか?⋯⋯と、まず方面を選び、九州を選ぶとその先に北九州・博多、別府・大分、阿蘇⋯⋯と地域が分かれ、阿蘇の中でホテルを選ぶ画面に来て、そこでホテルを検討し、予約状況を確認⋯⋯というのが一般的なUIの構造かと思います。このように網をだんだんと絞り込んで詳細化していく、という構造はミッシーで、正しいロジックであるように思われます。

しかし顧客側は、必ずしもエリアを絞り込んでいない場合があります。「なんか、雰囲気のいい温泉付きホテルに泊まりたい⋯⋯」というのが顧客の...

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