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マーケティングの「禁じ手」十手

『つい、売り場で「雰囲気」を強調し過ぎてしまう』〜「ムード重視」のわな

國田圭作(嘉悦大学)

今回は、売り手が陥りやすい「売り場演出のわな」について考えます。送り手はつい、受け手の許容範囲を超えたレベルに気分のピークを設定してしまいがちです。その構造を解きほぐしてみたいと思います。

人間は、「気分」で財布が開いたり閉じたりする生き物です。来店客の気分がよくなるように、売り場をビジュアルや音などで演出することの重要性は言うまでもありません。ただ、気をつけなくてはいけないのは、そのレベル設定です。

音楽が来店客の行動に影響を与えることはよく知られています。「スーパーの店内BGMをスローテンポにすると歩行速度が落ち、結果的に買い上げ率が上がった」とか、「パブ・レストランで、アップテンポの賑やかなBGMを流したらドリンクのオーダー量が増えた」などの実験が報告されています。これらは売り手の経験や勘を裏付ける結果だと思います。

さて、ここからが問題です。実験結果はあくまである状況での効果ですから、自分の店で同じようにやったとしてもすぐ同じように結果が出るとは限りません。演出を変えたとたんに売上が激減、ということはあまりなく、むしろ売上が変わらない、目に見えて効果が出ない、というケースの方が多いかと思います。そのとき、多くの売り手は演出のレベルを下げるよりも、上げる方にダイヤルを調整しがちではないでしょうか。

人間は環境に順応する生き物です。最初は少しやり過ぎかな?と感じたとしても売り場に長くいれば慣れて、何も感じなくなってしまいます。ここからギャップが生まれるのです。このギャップの発生する構造を図解してみました(図1)

図1 売り手と買い手のギャップが生まれる構造

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