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THE CITY BEYOND CITIES

ロックダウンで大きく変わる、英国のライフスタイルについて

小西純子

英国と日本には共通点がある。島国で、人口密度が高い。かたや武士道、かたや騎士道。象徴君主を置き、お茶が好き。全く異なる点もあるが、英国のいまは、ヒントになるだろう。現地からのレポートをお送りする。

セインズべリーの大型店舗内。多くの商品が品切れになっている。

4月14日、コロナウイルス感染症の拡大を抑えるべく始まったロックダウン(都市封鎖)が4週目に入ったこの日、英国政府は3週間の封鎖延長を発表した。自宅で過ごす期間が長引くなか、世界の多くの国と同様、英国人も自分たちの生活を守り、子どもたちを教育し、自らの身体的、精神的健康を維持しようと努めている。彼らはどのように毎日を過ごしているのだろうか。

ロックダウンとはいえ、4月中旬時点における英国は完全外出禁止ではない。1日に1回の散歩や、食料品など生活必需品の買い出しを目的とした外出は認められている。食料品店の店舗前には2メートル(政府の推奨距離)ごとに引かれた線に沿って並ぶ人々の姿が見られる。入店には人数制限があり、店内でも互いに一定の距離を保つことが求められる。

マスクやゴム手袋をする人の姿も今や珍しくなくなったが、それでも感染が心配な人の多くはオンラインスーパーを利用する。さらに最近では、近隣商店での買い物や飲食店のテイクアウトをしたいと考えつつも外出を躊躇う、またはさまざまな事情で外出が難しい人々のために、このほどロボットによる宅配サービスが始まった。

Starshipというロボティクスの新興企業が手がけるこのサービスは、ロンドンの北西80キロメートルほどに位置するミルトン・キーンズ市でスタートした。若年層を中心に人気が高まり、3月半ばのサービス開始からすでに10万回以上の宅配を実施したという。

利用者はStarshipのスマートフォンアプリで、自宅近隣の対応店を選択、メニューやアイテムを選び、オーダーの中身や宅配ロボットの位置を確認しつつ到着を待つ。宅配サービス利用の激増により高まる、宅配員と利用者双方のウイルス感染リスク、配達人員確保の困難さ、といった課題に対する画期的な打開策として、今後英国内の他地域にもサービス拡充を計画中だという。

また、一部の例外を除く全国的な休校に伴い...

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