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THE CITY BEYOND CITIES

英国のハロウィン ウィットに富んだ表現を発信

小西純子

英国と日本には共通点がある。島国で、人口密度が高い。かたや武士道、かたや騎士道。象徴君主を置き、お茶が好き。全く異なる点もあるが、英国のいまは、ヒントになるだろう。現地からのレポートをお送りする。

コヴェントガーデン市場の装飾。街中で見つけた最も大がかりなハロウィン装飾だった。

10月の末になると、ロンドンは曇りや雨が多くなって、気温も大きく下がる。午後5時を過ぎれば、日が暮れて真っ暗になる。「こんな時分だから、街中にハロウィンの明るい装飾でもあれば」と思うのだが、デパートなどを見回してもそれらしいものはほとんど見られなかった。

対して、筆者が住む住宅街の生花店や果物店などでは、オレンジのカボチャがたくさん売られていた。各家庭で子どもたちが顔を彫って魔除けのジャック・オ・ランタンを作るためだ。地域の児童館などではアップルボビング(水に浮かべたり、天井からヒモでつるしたリンゴを、手を使わずに食べるゲーム)などのイベントも開催されていた。それでも、子どものいる家庭や、ナイトクラブに仮装をして繰り出す若者以外は、一般にハロウィンへの関心は薄いように感じられる。

ハロウィンの起源は、そもそも現在の英国が位置するブリテン島にある。この地に住んだ古代ケルト人の宗教儀式である祭り「Samhain(サーウィン)」がそれだ。夏の収穫が終わり、冬が始まる11月1日を新年とした彼らは、その前日──現代日本で言うなら大晦日にあたる──10月31日に、「サーウィン」を行った。

古代ケルト人は、新年と旧年が交わる10月31日は、この世とあの世の境が最も狭まり、死者たちが行き来する日だと信じていた。弔いと浄化のために焚火をし、悪霊から身を隠すために悪霊の仮装をしたという。

ブリテン島からケルト人が駆逐され、ローマ帝国の支配下となってキリスト教が力を持つと、11月1日は「All Hallows Day」、諸聖人の祝日と定められた。その前日であることから10月31日は「Hallows’ Eve」、「Halloween」と呼ばれるようになったのだった …

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