朝からフルコースを楽しみたいワタシ
その昔、六本木に深夜に開店するフレンチレストランがあった。真夜中にフレンチ──物珍しさも手伝い、同店はアフターで訪れたホステスと男性客や、深夜まで働くマスコミ関係者らによく利用されたが、ある日、同店には珍しいタイプの男女の客が訪れた。
イラスト:高田真弓
「富士山消しゴム」は使うこと自体が目的化した商品。消すのが楽しい。現れた富士山はオリジナリティに富み、インスタ映えしそうだ。
先日、総合文具メーカーのプラスから一風変わった消しゴムが発売された。その名も「エアイン富士山消しゴム」。使い込むうちに、自然と富士山が現れるという。
プラスの消しゴムと言えば、ロングセラー商品の「エアイン」が有名である。ウリは“いつもカドで消す感触”──。確かに、カドを紙に当て、軽い力で綺麗に消せる消しゴムは使い勝手がいい。プラスが上手いのは、そんなユーザーの何気ない行動に着目し、そのコピーをパッケージに入れたこと。これにより、僕らは「カドで消す」=「エアイン」と自然と連想できるようになった …