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トップの現場力

飲食店の本質は「おいしさ」 0.5歩先のマーケティングで追求

プロントコーポレーション

プロントコーポレーションは、「カフェ&バー プロント」をはじめとする飲食店を展開し、ことしで30周年を迎える。昼間はカフェとして、夜はバーとしての顔を持つユニークな営業スタイルで、女性を中心に人気を集めている。1000軒以上の飲食店の立ち上げに携わった実績を持つ竹村典彦社長に「現場力」について聞いた。

プロントコーポレーション
代表取締役社長
竹村 典彦(たけむら・のりひこ)氏

1958年奈良県生まれ。1981年同志社大法卒後、サントリー入社。社内ベンチャーのミュープランニングアンドオペレーターズを設立。同社取締役、専務、副社長を経て、サントリーなどを設立母体とするプロントコーポレーションに移り、2005年より現職。

―竹村社長は「現場」の状況を日々どのように見ていますか。

店舗を見に行くことが私の趣味とも言えるほど、よく足を運んでいます。ただし、社長としてではなく、一般のお客さんとして年間500軒ほどに顔を出しています。いわゆる覆面調査とも言えるかもしれませんが、自分の目で見ないと現場の状況はわかりません。

地方に出張した際も必ず現地の店舗に寄って、抜き打ちで店内の状況をチェックします。私の場合、一人で訪ねるので目立ちませんし、とくにアルバイトのスタッフは私の顔を知らないので、接客をはじめとする実情がよくわかるんです。なかでも一番のチェックポイントはお客さまです。サービスとお客さまがマッチしているかどうか。そこがズレていると顧客満足度が下がってしまいますからね。

また、社内にはもともと営業を担当していた女性スタッフが全国の店舗を回って覆面調査する「小姑レディー制度」もあり、クオリティ、サービス、クレンリネス(QSC)を中心に60項目以上をチェックしています。調査結果はスーパーバイザーにフィードバックして、サービス向上に努めています。

さらに、有志のフランチャイズオーナーが覆面調査する「プロントミシュラン」という制度もあり、約30人が他店を回っています。プロントでは年に一度、店舗の表彰を行っているのですが、覆面調査時の点数が評価全体の25%を占めます。こうした評価にフランチャイズ店のオーナーが参画するのは珍しい。良い点はマネし、悪い点は反面教師にできるため、店舗間で切磋琢磨できるんです。

―そうして店舗をまわる中で、店舗のスタッフに必要なのはどんなことだと感じますか。

まず、飲食店の本質を知ることです。たとえば、珍しいサービスは目立つため、瞬間的に流行ることもありますが、しばらくすれば話題に上らなくなり、廃れてしまいます。優れた人材も諸刃の剣で、看板スタッフがお客さまを集めても、そのスタッフがいなくなってしまえば集客できなくなる。いくら店舗の外観や内観がおしゃれでデザイン性に優れていても、3回も通えば大体の人は満足してしまい、リピーターにはなりません。

そう考えると、そうした要素は飲食店の本質ではないんです。飲食店の本質はおいしいものを早く食べられること。多くの人が、「おなかが空いているから」「のどが渇いているから」という理由で飲食店を訪れます。重要なのは、このシンプルな欲望をどれだけ満たせるか。これを怠ると例外なく失敗します。つまり、店舗という現場においては「凡事徹底」、当たり前のことを当たり前にすることが大事なんです。

―そうした「凡事徹底」を社内で浸透させるためには、どのような取り組みをされていますか。

やはり教育です。現場ではイレギュラーな出来事がたくさんありますから、どれだけマニュアルの精度を高めても、それだけでは対応できません。とくに夜はバーとしてアルコールを提供しているので、酔ってしまうお客さまもいます。そういうシーンでも適切なサービスを提供するには「人間力」が必要で、要するに人に対する愛情がないとむずかしい …

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