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トップの現場力

需要を喚起し、1兆円市場へ 「メガネが主役の時代」をつくる

インターメスティック

アパレル業界のSPA(製造小売)スタイルをメガネ業界に持ち込んだ草分けの企業であるインターメスティック。運営するメガネブランド「Zoff(ゾフ)」は2001年に1号店をオープンして以降、現在は国内におよそ190店舗以上を展開し、海外での出店も加速させている。「現場」の重要性を強調する同社・代表取締役会長兼社長の上野照博氏の現場論とは。

インターメスティック
代表取締役会長兼社長
上野 照博(うえの・てるひろ)氏

1940年生まれ。1963年学習院大学卒、同年レナウンニシキ(現ダーバン)に入り、1968年上野衣料に移り、1969年専務、1993年にゾフと運営会社インターメスティックを設立して代表取締役社長に就任。2014年12月から代表取締役会長も兼任。

―上野社長は、「現場力」をどのようなものだと考えていますか。

現場力は、利益を生む源。それに尽きると考えています。「Zoff」にとって現場とは、もちろん店舗です。どんなに良い商品でも、現場でその良さを伝えられてはじめて、お客さまは納得し、購入してくださいます。だからこそ、あらゆるスタッフが現場を意識しながら業務に臨むべきで、本社で働く社員も常に現場を知ろうとしなくてはなりません。

そこで当社では2016年より、マーケティングや経理、システムなどすべての部署の全社員が月に一度は売り場に立つという社内制度を設けました。売り場という現場でしかわからないことは多いですし、現場に立つことでさまざまな発見があります。そこで感じたことを日々の業務に生かすという循環をつくっているんです。

―その制度を導入するにはどんな経緯があったのですか。

当社は他社や他業界からの転職者も多く、そうした者の多くはメガネを販売したことがなく、現場を知る機会が足りていないと感じています。そのため、実際にどのようにメガネがつくられ、売られているのか、そして、どんなお客さまが日々来店されているのかを実際に見て、知ってほしい。現場でメガネを買うお客さまと直接接することで、メガネのニーズに始まり、メガネそのものが社会においてどのような意味をもたらしているのかまで理解できます。

同時に、本社のスタッフが現場に立つことで、現場のスタッフのモチベーションも上がっています。本社と現場のスタッフがコミュニケーションを図る機会は、まだまだ足りていません。昼休みに一緒に食事をしたりして、本社での動きを現場が知る良い機会にもなっています。

また当社には社内公募制度もあり、課題や面接などを経て希望部署に異動することが可能で、店舗から本社に異動を希望するケースもあります。現在では、本社勤務の社員は店舗経験者が半数を占めています。

―上野社長はメガネ業界の現状をどのように見ていますか。

「Zoff」は2001年に立ち上げましたが、当時は革新的だった企画や製造、販売までを一貫して行う手法(SPA)を、メガネ業界に初めて導入しました。それによって消費者は約5000円からメガネを買えるようになり、市場としても急拡大することを見込んでいたのですが、結果として思ったほどには需要を喚起できませんでした。

メガネ業界は現在5000億円の市場で停滞していますが、私は1兆円規模の産業になるのは十分可能だと思っています。そして、それがこれからの挑戦でもあります。現在の停滞は業界としての怠慢が原因の一つだと反省しています。今後求められるのは、いかに需要を喚起するかということ。需要を作り出せなかったことは業界全体で受け止めるべき反省点であり、これからはメガネが主役になる時代をつくっていきたいと思います。

私は従前から、「メガネをファッションアイテムにしよう」と主張しているのですが、その道のりはまだまだ遠いと感じています。消費者にとっても、メガネ店に行くのは困ったときであることが多く、アパレルのように季節の変わり目に何気なく訪れることはあまりありません …

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