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トップの現場力

これから育てたいのは商売人気質のパートナー

ベイクルーズ 上席取締役副社長 古峯正佳

「ジャーナル スタンダード」「エディフィス」「イエナ」などの人気ブランドでファンの心を掴み、日本のセレクトショップの新御三家と呼ばれるベイクルーズ。昨今はアパレルのみならず、家具・インテリア、飲食、フィットネスの4事業を展開するライフスタイル提案グループに成長した。自らもアパレルショップの現場で数々の痕跡を残してきた古峯正佳副社長に、商売の極意を聞いた。

ベイクルーズ 上席取締役副社長
古峯 正佳(こみね・まさよし)氏

1974年埼玉県生まれ。1999年入社、EDIFICE新宿店FAからスタート。2001年EDIFICE銀座店、2002年EDIFICE渋谷店店長ののち本社勤務。DEUXIEME CLASSEデイレクター、LA CLASSE初代CEO、LE DOMEのCEOを歴任し、2016年9月よりBAYCREWS上席取締役副社長に就任。

―貴社では現場力をどのように捉えていますか。

現場力は「修正力」だと考えています。商品やサービスは、顧客ターゲットや商品イメージを決め、戦略に沿って作られますが、時としてお客さまのニーズにそぐわないこともあります。実際は、うまくいかないことのほうが多いでしょう。

そういった現実とのギャップをすばやく修正する力が現場力です。お客さまの行動やリアクション、深層心理に触れる機会が多い現場での経験を積み重ねていくと、修正力が身に付きます。そのスピードが速ければ速いほど売り上げが伸びますし、良い方向に絶えず変化していけば、顧客満足度も上がっていきます。

現場で方向性を修正しやすいように、店舗の裁量権はほとんど店長に与えて自主性を重視しています。もちろんブランドとして表現しなければいけないことや守らなければならない基本軸はありますが、そこから外れなければ自由にやってもらうスタンスです。

ベイクルーズではスタッフをパートナーと呼んでおり、店舗パートナーの採用も店長に任せているので、店舗における決定事項の8割は店長自身で決められます。当然、その分結果は出さないといけませんが、店長のカラーが店舗に色濃く出て、やりがいを感じやすい職場になっています。

―どのようなスタッフを店長に抜擢していますか。

売り上げが高い実績を持つ「商売人気質」のパートナーです。お客さまが何を感じているか、何を欲しがっているかをすばやく察知して、売り上げを伸ばすことに執着できるかどうか。時には本社の方針に逆らって「お客さまはこう考えているから、自分はこうします」と言えるくらい攻めの姿勢を持ったパートナーが結果を出しやすい。反対に、本社の言うことだけを愚直に行うパートナーだと、売り上げが伸びないということもあります。

高い売り上げをキープしているパートナーはプライドがありますから、店長になったら店舗の売り上げを落としません。「部下たちを食べさせないといけない」というマインドにも切り替わりやすいですからね。

ベイクルーズでは店長の自主性を重んじているので、本社が手取り足取り教えることはありません。店長になってすぐにマネジメントの研修を行い、店舗スタッフの評価方法などは教えますが、それ以外は具体的な研修を行わず「現場で学べ」というスタイルで指導しています。

現場で働きながら貪欲に結果を求めるパートナーは、当然結果を出します。自分からアンテナを張り、情報を取りに行く。こうした意識を持ってもらうために、よく「街の行列を見ろ」と言っています。「なぜお客さまが並んでいるのか、自分なりに分析してみなさい」と。お客さまが集まる店には、どんな魅力があるのか。お客さまは何に関心を持っているのか。ヒットしている店舗や商品を見て、肌感覚で知ってこそ商売の本質がわかります。商売の基本を押さえていれば、数字は後からついてくるものです。

店長には販売力に加えて、リーダーシップやファッションセンス、そして修正力が求められます。こうした能力の源となるのが、商売人気質なのです。ひとりでも多く、商売人気質の高いパートナーを増やしていきたいですね ...

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