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ARTS卒業制作レポート

課題解決のためのアートディレクション

アートディレクションを多様な視点から学ぶ、宣伝会議「アートディレクター養成講座(ARTS)」。今回で20期を迎えた本講座では、半年以上にわたり講義が行われ、受講生が卒業制作に取り組んだ。「任意のクライアントを設定し、ブランディングデザインをしてください。制作するアイテムは自分で考えてください」という課題を出題。

受講生は、実在の企業、ブランド、店舗などに許可を取り、制作を進め、植原亮輔さん(キギ)、柿木原政広さん(10inc.)、水野学さん(good design company)が講評を行った。受講生がクライアントに自主提案をするかのように、企画とクリエイティブをつくり上げ、プレゼンを実施。ここでは、その中から選ばれた優秀作10作を紹介する。

植原亮輔さん(キギ)

柿木原政広さん(10inc.)

水野学さん(good design company)

※上記講師の写真は、2018年のものです。

植原クラス 金賞
清水艦期(POLARNO)

企画意図

阿佐ヶ谷にある釣り堀寿々木園のブランディングをしました。1924年創業の歴史ある老舗であり、金魚釣りが楽しめる寿々木園は、女性や初心者からも人気が出るような工夫をしている釣り堀です。ただその魅力を伝える方法がなく、わかりやすく可視化する必要があると考えました。ロゴは金魚をモチーフにデフォルメし、創業年を入れることにより歴史を表現。伝統を感じる和風な雰囲気を基調に、金魚マークを象徴的にあしらったデザインで統一しています。これからも愛され、伝統を守り続けられるような釣り堀になるようにと思い、制作しました。

ARTSを受けて

仕事をしていく中で漠然とした力不足を感じ受講しました。講義や課題を通して徐々にそれがなんなのか具体化することができたと思います。これからは学んだことを仕事で実践できるよう精進していきたいです。お世話になった皆さま、ありがとうございました。

柿木原クラス 金賞
中川丈

企画意図

ヲタク文化の資産である「ペンライト」の新しい使い方を提案しました。ペンライトはコンサート会場で一体感をつくるために利用する以外の使い道がほとんどないという点に着目し、役割を終えたペンライトを回収してイルミネーションとして二次利用するプロジェクトをつくります。ヲタクたちの持つ「推しへの熱狂的な想い」や「刹那的な儚さ」といった感情は今も昔も変わらないのでは、と考え、日本古来から伝わる美意識をデザインに取り入れました。このプロジェクトを通してより多くの人々にヲタク文化のおもしろさを伝えていければと思ってます。

ARTSを受けて

毎回刺激的な講師陣でしたが、どの方も自分のストロングポイントを活かして制作しているのだなということを学びました。それから自分のやり方を見つめ直し、ARTSの仲間や会社のみなさんにとにかく聞きまくったり、アイデアを見せまくったりする日々でした。結果としてこのような評価をいただけたことでちょっとだけ自信に繋がりました。そして真剣に相談に乗ってくれたすべての人たちに心から感謝します。ありがとうございました!

水野クラス 金賞
山口祐基(アドブレーン)

企画意図

「コップとお皿の境目ってどこだろう」。そんな疑問から生まれたプロダクトブランド「aimai」。「モノとモノの間を連続して見せることで、人の持っている認識を曖昧にし、モノとの関わり方を考えなおすキッカケを与える。」というコンセプトから10種の高さの器を制作した。このブランドは「曖昧」というテーマでアートディレクションしている。

例えば文字を続けることで文字の境目を曖昧にさせるロゴタイプ。シリコン製の半透明の袋で中身がボヤけて見えるパッケージ。白でも黒でもないグレーをキーカラーにするなど。プロダクトそのものが価値を提案するのではなく、使用者が新しい価値を生み出し提案することを目的としている。

ARTSを受けて

滞りなく仕事が進められるようになり、社内で評価されはじめた頃から感じ始めた自信と不安がありました。社内と世間と評価は違うのか。自分のデザインは世の中でも通用しているのか。そんなことを考えながらARTSを受講しました。優秀作品に選んでいただいたことで少し自信がつきました。ありがとうございました。今後とも頑張ります。

器制作協力者: 平賀佑希

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