今年、福岡で開催されたアートディレクター養成講座では、熊本地震の発生より一年を経て、「熊本の経済(=熊本の人々)を助けるキャンペーンを考えてください」というお題で、卒業制作を実施。ここでは選ばれた優秀作品を紹介する。
グランプリ/『どのうPROJECT』
佐藤瞳(DICE PROJECT)
●企画意図
熊本視察の時にすれ違った中学生を見て、「この子たちには、瓦礫の道が日常の風景なんだ」と強く感じました。街並みが元通りになるには、まだまだ時間がかかるかもしれません。しかし、街のあちこちに積み上げられている「土嚢」ならすぐにでも明るく楽しい日常風景にデザインすることができる!そんな気持ちから生まれたプロジェクトです。
●ARTSを終えて
アイデアが出なくて苦しんだり、他の受講生の発想や手法を見て楽しんだり、講師の皆さんからは目からウロコのご指導をいただいたり、いつもは味わえない緊張と刺激と自己嫌悪を味わえたことに感謝しています。
●審査員コメント
震災復興に必要な土嚢が生み出すマイナスな風景を、熊本の名産(トマト・スイカ・晩白柚)のデザインに仕立て話題化し、いっそ観光PR資源にしてしまおうという発想力、つくりたいのは「笑顔のある風景」というゴールイメージは共にお見事でした。このアイデアは課題解決に向け実際に訪れた現地リサーチの中から生まれたものだそうです。ヒントはすべて現場にありますね!グランプリおめでとうございます。(電通九州/伊藤敬生)
この作品は、被災者への愛情に溢れています。プレゼンを聞き、その意図を理解した瞬間、熊本県民の私は涙を堪えました ...