本年度のD&ADプレジデントは、英国のデザイングループGBH マーク・ボナー氏。グローバルブランドを数々手がけるマークが本年度の審査対象作品の中から、個人的なベスト5を選んでくれた。どんな視点で、どのようなのものを選んでいるのか、見てみよう。
Mark Bonner(マーク・ボナー)
マークは1993年ロイヤルカレッジオブアートを卒業後、99年にGBHグループを設立するまで、The Partners, Carter Wong & Partners、SASに在籍。GBHでは、アップル、プーマ、ロイヤルメイル、ランドセキュリティーズ、ユーロスター、フロス、ストラックネットワーク、SBEエンターテインメント、ヴァージン・ギャラクティック、ヨーテルなど20もの強力なブランドのコミュニケーションの課題解決に努めている。GBHは設立以来、英国の最もクリエイティブなデザイングループトップ10に常にランクイン(DW Hot 100 Survey)。2007年と2011年は2位になった。マークは91年にStudent Yellow Pencilを、2005~2011年に4つのイエローペンシル、9つのD&AD Silver Nominationsを受賞。six Design Week Awardで2003年にBest of Showを、ニューヨークアートディレクターズクラブでシルバーを受賞している。マークは現在、D&ADのプレジデントであり、インダストリーアワードのレギュラー審査員。2004年にはthe Donside Awardsのチェアマンも務めている。また大学での講義も行っている。
Intermarché「Inglorious fruits & vegetables」
(Marcel Worldwide)
受賞:Black Pencil Winner(Integrated & Innovative Media)
ビジネス・プロセス、マーケティングと売上を、本当に強いアイデアによって一つにすることができる、もっともすばらしい事例です。アートディレクションの観点から見れば他の広告と比べると、巧みと言えるものではないかもしれません。でも、何よりもアイデアが強い。わずか24時間で小売店に並ぶ“ 見た目の悪い野菜” を品切れにしてしまい、たった一夜で人々の行動を変えてしまったわけですから。これこそが真のゲームチェンジャー。私たちD&ADもそれに応えざるを得ませんでした …