真っ暗闇の空間の中でヘッドライトをつけた若者たちが、動き回っている。縦横無尽に動くヘッドライトの光の筋が、彼らの着ているTシャツを照らし出す。彼らは暗闇の中で一体何をしているのだろう?
オリジナルTシャツが企画の主役
まず印象に残ったのは、クライアントさんの「我々の会社はいい意味で真面目だが“古くてお堅い会社”というイメージを抱かれている」という言葉でした。しかし、実態は、独自の研究技術をさまざまな企業と連携させ、新しいサービスを開発している。その内容はどれも面白く、実はすごく先進的な企業なんだと見方が変わりました。そこから、今回のクリエイティブリレーでは、元々企業が持っている「リレーションシップ」というカルチャーを、今のイメージとは全く違った表現で伝えることに挑戦しました。具体的には、九州のクリエイターとNTT西日本のリレーションで、お堅い企業イメージをいい意味で壊す試みです。
映像制作にあたってまず作ったのは、Tシャツです。映像1本だけで解決するのは難しい、プロダクトに落とした方が広がるのではという発想で、デザイナーとコラボしたオリジナルTシャツ「NTTT !」を作ろうと考えました。K-ADC(九州アートディレクターズクラブ)に呼びかけ、11人が有志でTシャツをデザインしてくれました。テーマは「コミュニケーションが生まれるTシャツ」です。
映像の方は、主役のTシャツをどう見せていくかを考えていきました。従来のCM的表現とは違った、面白い表現がないかアイデアを出していきました。そして「つながる」という言葉をヒントに、暗闇の中でペアのTシャツを探してつながっていく若者たちを撮影することに。演出は若手No.1の山本ヨシヒコ、撮影はカメラマンの菅祐輔が指揮を取り、GoProを使った主観カメラで臨場感ある映像になっています。音楽はインビジブル・デザインズ・ラボの清川進也さんにお願いしました。
せっかく九州在住の自分にオーダーをいただいたので、“オール九州”で応えたいと、九州で活躍するクリエイターと制作しました。普段はディテールまで自分で詰めてしまいがちなんですが、今回は“みんなのアイデアをどう強く融合させるか”ということに個人的に挑んだ仕事で、最終的に僕が考える以上の作品になったと思います!
STORY
Tシャツを着た若者たちが、暗闇の中でヘッドライトをつけ、一斉に動きだす。縦横無尽に動き回る彼らがヘッドライトの光で照らしているのは、実は、互いの着ているTシャツだ。やがてカメラの前にペアのTシャツを着た2人組が次々と現れてポーズをキメる。Tシャツの柄によって人がつながっていく様子を表したムービー。
BBDO J WEST コンテンツプランナー 眞鍋海里(まなべ・かいり)
1982年宮崎生まれ。大学卒業後、タワーレコード、Webプロダクションを経て現職。デジタルからCM、MVなどの映像コンテンツの企画を行う。アドフェスト、スパイクスアジア、TCC審査員長賞、モバイル広告賞グランプリ、FCC賞、CCN賞、WEB人賞他。
- 企画制作: BBDO J WEST+ワンダーランドハウス+インビジブル・デザインズ・ラボ+K-ADC
- CD+企画:眞鍋海里
- 演出:山本ヨシヒコ、岡山BOB 治
- PR :小林玲奈
- 撮影:菅祐輔
- 撮影助手:岩木大介
- HM :松本麻里
- 音楽:清川進也、関戸太陽
- 照明:渕野公貴、長尾圭悟
- 編集:坂口幸司
- PM :荒木梨紗
- TシャツPR :板野仁志、中村友香
- D(Tシャツ):鬼塚淳子、小林大助、小野信介、板野仁志、中本吉郎、羽山潤一、吉本清隆、川添精一郎、濱隆一、松尾紀之、タナカタカアキ
スマートフォンで上の画像が動きだす!
無料アプリ「aug! オーグ」をスマートフォンにダウンロードして、右のキービジュアルにかざすと、今回制作されたCMが再生されます。(iOS6以上を搭載した、iPhone、iPad。およびAndroid4.0以上を搭載したAndroidに対応)。ブレーンのデジタル版(https://mag.sendenkaigi.com/brain)でも視聴いただけます。