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情報化時代の新・セグメンテーション ヒットのキーマンは聞き耳層!

「聞き耳層」と取り組む共創マーケティング

上野昭彦(読売広告社)

情報摂取量が飛躍的に高まった現在の環境下で、感度が高く、情報を社会に循環させる担い手として「聞き耳層」の動向が注目されている。この連載では、実際の調査データを交えながら、聞き耳層を使ったブランド診断や共創型の商品開発、情報循環への取り組みを紹介していく。

図1 聞き耳層による共創型ワークショップのスキーム

    聞き耳層とは

    生活者を情報感度の高い順から「はや耳」「聞き耳」「むれ耳」「そら耳」「とお耳」と分類したとき、2番目に情報感度が高く、他者に情報を広げる習性を持つ。

共創マーケティングの成否を左右する“参加者の質”

近年、改めて「共創マーケティング」への取り組みが注目されており、MROCやファンコミュニティなどがユーザーとの商品開発や絆づくりなどに活用されている。ただし、Web上の仕組みであれ、従来型の手法であれ、参加者の質や運営によって結果にばらつきがあり、企業の調査担当者からは「コミュニティの対象者、アクティブな参加者がなかなか広がっていかない」「人を集めたものの、うまく回らない」「グループインタビューの参加者の質が落ちてきた」といった悩みの声が聞かれる。質のまちまちな対象者に一方通行のヒアリングを行い、個人の嗜好を拾い上げただけでは「共創」にはつながらない。ユーザー自身がお互いを刺激しながら発想を広げていく「共創の場」を作るためには、コミュニケーション能力などの点で質の高い参加者を集めていくことが鍵となる。

読売広告社では、生活者との共創の取り組みを推進するための仕組みとして、独自手法による「共創型ワークショップ・YES」を開発、展開しているが、2013年より「聞き耳層」を対象とした「キキミミワークショップ」をスタートした(図1)。

「YES」では、調査対象者とファシリテーター、メーカーの調査、開発チームが同じテーブルを囲んでアイデアを出し合うスタイルを取っている。仮説を検証していくのではなく、仮説の前段階の問題意識をもとに ...

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