情報摂取量が飛躍的に高まった現在の環境下で、感度が高く、情報を社会に循環させる担い手として「聞き耳層」の動向が注目されている。この連載では、実際の調査データを交えながら、聞き耳層を使ったブランド診断や共創型の商品開発、情報循環への取り組みを紹介していく。
聞き耳層とは
生活者を情報感度の高い順から「はや耳」「聞き耳」「むれ耳」「そら耳」「とお耳」と分類したとき、2番目に情報感度が高く、他者に情報を広げる習性を持つ層。
2014.3調査 キキミミパネル調べ n=3,193(聞き耳層のみ=639)
図1 聞き耳層の好きなタレントランキング
上位には一般的な人気タレントが並ぶが、ランキング中盤からは、竹野内豊、竹内結子など個性・実力をしっかり持った聞き耳らしいタレントの名前が登場する。
聞き耳層の目のつけどころ
今回はタレントイメージ調査の結果から、「聞き耳層」の好みの傾向、イメージ重視点やチェックタレントなどを紹介する。キキミミパネルを運営している読売広告社とマイボイスコムは、聞き耳層のモノの選び方や価値観の研究とともに、「旬」の志向を把握するため、タレントに関して定期調査を行っている。栄枯盛衰が激しく、その時の旬がビビッドに反映されやすいタレントは、聞き耳層の感度、情報循環力を確認するのに適した題材である。
図1は今年3月に実施した調査で、男女それぞれ100名以上の人気タレントから「好きなタレント」を選択(複数回答可)、結果をランキングで表したものである。男性タレントの上位には、阿部寛、福山雅治、明石家さんまといったビデオリサーチ人気ランキング常連の名前が並んでいる。聞き耳層の特徴が表れているのは、佐藤浩市(5位)、竹野内豊(7位)、池上彰(14位)などで、話題性だけではなく、個性、実力をしっかり持った著名人を好んでいるようである。
女性タレントでも同様に、綾瀬はるか、天海祐希などが上位に並ぶ一方で、一般層と比較すると、竹内結子(11位)、仲間由紀恵(12位)などの評価が高い。また、松嶋菜々子も毎回支持が高いタレントの一人である。
聞き耳層が好むイメージ
これら聞き耳層の評価が高いタレントに共通するものは何か ...