聞き耳層に効く店頭プロモーション
情報摂取量が飛躍的に高まった現在の環境下で、感度が高く、情報を社会に循環させる担い手として「聞き耳層」の動向が注目されている。この連載では、実際の調査データを交えながら、聞き耳層を使ったブランド診断や共創型の商品開発、情報循環への取り組みを紹介していく。
聞き耳層とは
生活者を情報感度の高い順から「はや耳」「聞き耳」「むれ耳」「そら耳」「とお耳」と分類したとき、2番目に情報感度が高く、他者に情報を広げる習性を持つ。
買い物意欲旺盛な「聞き耳層」
情報感度が2番目に高く、社会に情報を循環させるキーマンである「聞き耳層」と、下から2番目の情報感度で、情報循環をストップさせる「そら耳層」。今回は、この分類と実際の購買履歴を紐付けて分析し、聞き耳層のショッパーとしての側面を紹介していく。
聞き耳層の「買い物・消費に対する興味・関心(4段階)」を見ると、34.5%が「興味関心がある」と回答、そら耳層の14.7%と比べると、そもそもの消費感度に大きな差がある。買い物意識の各項目で見ると、「提供された情報をきちんと比較、高くてもよいものを選択し、バーゲンやポイントをうまく活用して買い物をする」聞き耳層の姿が浮かんでくる(図1)。
これがアンケート調査上の姿なのか、本当に賢い消費者と言える人々なのか、実際の購買履歴から聞き耳層の購買行動の実態を捉える取り組みを行った。
「聞き耳層」は客単価も高い
流通研究の専門組織、流通経済研究所が保有する購買パネルを対象に、聞き耳層、そら耳層の基本的な購買動向を比較したのが図2である。
月あたりの来店回数、客単価、購買金額では、聞き耳層は来店回数こそ平均以下だが…