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ご当地キャラ博士が解説!ヒットのツボ

船橋の梨をブランド化、ふなっしー活用で注文殺到の裏側

野澤智行(アサツー ディ・ケイ)

プロモーションや地域振興など、目的に応じた企業や行政団体によるキャラクター活用事例と、その裏側にあるヒットを生み出すポイントについて、キャラクタープロモーションの第一人者・野澤智行氏が解説します。

ふなっしー公認のオリジナルパッケージ。コレクターズアイテムとしても人気だ。

オリジナルパッケージが話題に

全国No.1の梨の収穫量、栽培面積、産出額を誇る千葉県で、船橋市の梨は産出額で白井市、市川市、鎌ヶ谷市に次ぐ第4位。相対的な存在感は決して強いものではなかった。状況が一変したのは2013年、奇跡の梨の妖精である船橋市非公認キャラ「ふなっしー」の大ブレイクに伴い、船橋の梨もにわかに注目されるようになったことだ。そんな2013年の夏、ふなっしーをシンボルとして、船橋の梨農家と飲食店がタッグを組んだ船橋の梨PRプロジェクト「ありのみくす」*1が発足した。

*1「ありのみくす」の「ありの実」とは梨の実のことで、「梨」=「無し」に通じるとして、縁起を担いだ昔の人による呼び方が今回プロジェクトで採用された。)

50以上の梨直売所にはふなっしーオリジナルのぼりが立てられ、ふなっしーオリジナル梨袋に入った梨を購入できるようにした。一部直売所に設置されたふなっしーオリジナルパネルとの記念撮影画像を公式Facebookページに投稿することで、オリジナルグッズが当たる参加型キャンペーンも行った。

また、船橋駅周辺の飲食店組織「船橋F.B.C」に加盟する30以上の店舗には、船橋の梨を使ったオリジナルカクテルが用意され、一杯ごとに限定「ふなっしーコースター」をプレゼントする施策も行い、船橋市民だけでなく市外からもファンが多数押し掛けた。

昨年の好評に応え、今年7月に「ありのみくす2014」がスタートした。今回はオリジナルのぼりが3種類に増え、ふなっしー公認のオリジナル梨箱がグレードアップした。船橋市地方卸売市場内にある山邦青果の浅沼仁専務によると、箱自体をふなっしーの顔のデザインにして、箱を汚さず傷つけないよう、包装や発送も含めて細心の注意を払っているとのことだ。

船橋の梨の6割を占める「幸水」を7月末から…

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